春空/春の空に関連した俳句の例をまとめました。
春空/春の空を含む俳句例
春の雪林の空の力抜け/岸田稚
盗みする鳶も舞けり春の空/闌更
松島の鶴になりたや春の空/乙二
何番の花で尽くるや春の空/野童
春の空帆船の綱交錯す/松田多朗
鴎の目鋭きかなや春の空/高浜虚子
待春の空に襞ある瀧の音/古舘曹人
春の空円しと眺めまはし見る/立子
春空に雪まだとけずくに境/上村占
高々と煙突立てり春の空/高柳重信
震度五の空が屈折春の虹/吉原文音
開拓の昔のまゝの春の空/栗原昌子
草に臥て右や左の春の空/岡井省二
影曳きて春の空ゆく熱気球/根岸善雄
仰ぐこと多くなり春の空となる/秋を
大屋根に春空青くそひ下る/高浜虚子
春の空人仰ぎゐる我も見る/高浜虚子
春空とふ大いなる枡の底にわれ/林翔
水煙の天女が舞へる春の空/山下佳子
行く春の空に煙吐く湯殿哉/会津八一
俳句例:21句目～
まん中が黒い蝶々や春の空/鳴戸奈菜
死は春の空の渚に游ぶべし/石原八束
春空の思はぬ方へ靴飛べり/守屋明俊
襖絵の虹のつづきに春の空/大木美沙
四五人の僧の仰げる春の空/高野素十
山脈の空みどりなす春の月/相馬遷子
一つづつ春の空ゆく絵蝋燭/津沢マサ子
壺を抱く春空のもの皆入れて/高橋沐石
梨の木に水のぼりゆく春の空/鳴戸奈菜
此処からも大仏見ゆる春の空/星野立子
春の空叩いて鴨のとべるなり/岡井省二
首長ききりんの上の春の空/後藤比奈夫
山鳩の鳴きいづるなり春の空/松村蒼石
月淡く出でてたゆたふ春の空/松本幹雄
春空やけむりとならむ大思い/永田耕衣
浅き春空のみどりもやゝ薄く/高浜虚子
縄跳に春空たわみやすきかな/奥坂まや
点滴の終りに近し春の空/阿部みどり女
許すまじ春の空井戸覗かれて/鳴戸奈菜
春空へ割り込む山車を仰ぎけり/青木綾子
俳句例:41句目～
雨晴れておほどかなるや春の空/高浜虚子
春空に虚子説法圖ゑがきけり/阿波野青畝
春空に身一つ容るるだけの塔/中村草田男
春空に露びつしりとあるごとし/中川宋淵
春空へ砂なげ上げてあそぶ子ら/京極杞陽
とんと手をとんととび箱春の空/平井照敏
ゆけむりの上にゆけむり春の空/倉田紘文
ゆびきりの指が落ちてる春の空/坪内稔典
春の空濡れてゐる手ぞ美しき/中尾寿美子
春の虹智恵子の空に懸かりけり/高原春二
今日はしも匂ふがごとき春の空/福田蓼汀
水平線溶けどこまでも春の空/市ヶ谷洋子
玻璃ごしに見てゐる限り春の空/稲畑汀子
春の夜をはかなまねども旅の空/飯田蛇笏
手を容れて冷たくしたり春の空/永田耕衣
シャガールの女たゆたふ春の空/仙田洋子
ガスタンク孵りさうなる春の空/田中政子
鳶のかげ笠にかかるや春の空/吉田ひで女
春の空森のひとすみ濡れてをり/岡部名保子
伸ばせば手が眞っ青となる春の空/北島輝郎
俳句例:61句目～
妻の上にあくまで濃くて春の空/八木林之介
切れがちに榛の樹までの春の空/藤田あけ烏
仰ぐこと多くなり春の空となる/加倉井秋を
春空に鞠とゞまるは落つるとき/橋本多佳子
騎馬像の駆け上がらんと春の空/上村ミチル
木々涵したる春の空ほろほろ鳥/千代田葛彦
日輪をかくして春の空ひろし/長谷川かな女
やがてかのなきがらも無し春の空/正木ゆう子
春の空目を上ぐるたび濃かりけり/八木林之介
春の空日の輪いくつも色となり/阿部みどり女
死んで花が咲くなら死にます春の空/内田南草
ピアノは地ヴァイオリン春の空ながる/八牧美喜子
ひとありて春空にかがやきつ神のごとく/日夏耿之介
日輪のしろささみしさ春空へ金管楽器水仙鳴れり/小島ゆかり
