水甕/水瓶に関連した俳句の例をまとめました。
水甕/水瓶を含む俳句例
八月も水瓶はあり古机/中田剛
水甕の水満々と青嵐/渡辺初雄
東京の水甕に雨冷奴/鈴木鷹夫
水瓶に柳散りこむ厨哉/泉鏡花
水瓶や場かたまらぬ冬椿/酒堂
水甕に風の運びし花筏/吉田克己
旱星神の水甕手窪ほど/佐藤火星
水甕に花片沈み雷通る/西村公鳳
水瓶に秋の夕日や台所/羅蘇山人
聖日の水甕秋の花浸る/飯田蛇笏
稲妻が入り水甕の水減りし/長田等
水甕に昼がかぶさる盆の村/桂信子
八月の土間に水甕二つ並ぶ/穴井太
水甕は石を沈めて柿の花/長谷川櫂
水甕に沈む落花や暮の春/野村泊月
断水や水甕古き一夜を得/栗生純夫
水甕の水に浮く塵冬に入る/桂信子
朝顔は紺水甕に朝日満つ/内藤吐天
水瓶に茶碗落すや朝寒み/正岡子規
水瓶に蛙うくなり五月雨/正岡子規
俳句例:21句目~
水瓶へ鼠の落し夜さむかな/炭太祇
脂浮く水甕の水祈る父母/夏石番矢
しづり雪水甕の月さし変る/下村槐太
水甕をせめて豊かに寒厨/山口波津女
水甕を抱へて立ちし椿かな/野村泊月
汲みとりし若水甕にさざなみす/南北
蟻泳ぎゐて水甕の夕日濃し/内藤吐天
火消壺水甕よりも夜寒かな/野村喜舟
方丈の水甕割れて極暑かな/杉山青風
鴨ゆくや水甕満たす艀妻/塩谷はつ枝
行春の水瓶ももつて引越し/阿部完市
水甕にそつと鳥来つ昼寝時/高田蝶衣
水甕にほのと雲浮く冬安居/佐野鬼人
雁渡るらし水甕の水の張り/鷹羽狩行
雨乞や水甕足りぬ日本地図/飯村恭代
水甕に箍をはめけり暮の秋/寺田寅彦
露けさの水甕の中水重し/大岳水一路
水甕のみづに穴ある青葉闇/長谷川櫂
水甕の底にまづ置く鏡餅/下村かよ子
水甕の水にさゞなみ初蛙/上田五千石
俳句例:41句目~
水甕の水に触れゆく野分の端/桂信子
水甕の水のうまさも麦の秋/福永耕二
水甕の水の深さの国家かな/久保純夫
水甕の氷まんまる春立てり/伊藤ふみ
水甕の端にももつれ恋雀/鈴木しげを
水甕へほとばしり出る井華水/俳小星
三寒の水甕に日のそだちをり/長谷川双
寒の水瓶のかたちに鎮まれり/久保純夫
水瓶を捨てよ長身過ぎるなり/和田悟朗
水甕に柳散りけりくさりけり/寺田寅彦
水甕に花の日さして炊ぎけり/飯田蛇笏
水甕の水ゆすりみるおぼろ哉/中川宋淵
水甕の肌いきいきと後の月/星野麦丘人
目白まだ来ず水甕に水満たす/鈴木世記
水甕に雪降りつのる暮色かな/近藤一鴻
水甕に雪折れ椿あまた咲く/石田あき子
虫捕りのあと水甕に水満たす/五島高資
水甕の蓋に桃おく湯治びと/つじ加代子
水甕のある家鵙が遠巻きに/神尾久美子
水甕のひた濡れて唐辛子紅し/内藤吐天
俳句例:61句目~
水甕の周りから雪解けてをり/高橋将夫
水甕の磨きし水や梅漬くる/百合山羽公
インド水瓶腰のふくらみ秋の星/阿保恭子
去年今年母の水甕どっしりと/小林千穂子
水甕に水も充てけり除夜の鐘/中村草田男
水甕を湛へて除夜のこと了る/山口波津女
活くるひま無き小繍毬や水瓶に/杉田久女
石榴手に水瓶は頭にひたむきに/小池文子
水甕に蜘蛛の落ちたる神の留守/宮武寒々
霧に汲み水甕驢馬にふりわくる/小池文子
手さぐりに水甕さがす霜夜かな/福田甲子雄
柿の葉ずし水瓶まとふ谿の冷え/小枝秀穂女
野鵐なり森の水甕の水揺りしは/千代田葛彦
河鹿鳴く天の水甕満ちをらむ/鍵和田ゆう子
貧しかりしぢぢばばのこれは水甕/河村花不言
遅き日の水甕に水あふれしむ/七田谷まりうす
水甕の置かれていつしよけんめいなり/阿部完市