肝に関連した俳句の例をまとめました。
肝を含む俳句例
口切や講肝煎を筆がしら/正秀
年ゆくと荒肝鎮め甲斐の山/龍太
鶯の肝つぶしたる寒さかな/支考
猪の肝食つて舞ふ榊鬼/辻恵美子
秋風や俎すべる鯉の肝/鈴木鷹夫
豆飯や週に一度の休肝日/斉藤葉子
肝魂のすさぶる飢えや虚栗/鈴木明
指箸に鰹生肝ほいと喰ふ/後藤綾子
肝の臓くもる一日桐の花/寺井谷子
肝煎の手をはなれけり冬の月/曲翠
鮒の肝にがき湖北や鳥曇/那須淳男
万霊の肝の匂いや干鱈焼く/伊藤翠
休肝日京人参の紅きかな/草間時彦
肝焼や土用次郎の屋台酒/太田蓁樹
初旅の肝に力の入る離陸/水上陽三
の肝ふたりして食ふ終戦日/石寒太
猪の荒肝を抜く風の音/宇多喜代子
大鍋に肝浮く鱈の番屋汁/山崎羅春
烏瓜咲く学童の肝だめし/太田土男
雪光の肝一つぶを吊す谷/飯島晴子
俳句例:21句目~
山椒喰山の掟は肝に書く/丸山海道
煮肝の幾日にわたる天の川/齋藤玄
肝癪の良人うらくし夏帽子/久米正雄
ちり鍋や宝のやうに肝浚ふ/秦野淑恵
荒肝を待つ十六夜の皿一枚/熊谷愛子
蛙田や帰りそびれし肝試し/高柳重信
転読のこゑは肝より初閻魔/高澤良一
風干しの肝吊る秋の峠かな/三橋敏雄
肝に月夜の蟻が走りけり/千野みち子
八朔や鶏の肝など塩焼きに/荒牧澄子
卒塔婆に肝を試され唖の蝉/中川杞友
君ら暑がり肝つ玉かかへるか/松澤昭
埋火や妻の寝言に肝冷やし/市堀玉宗
寒鯉の肝火遊びの火種にぞ/新井/寛
山葵酢に肝をねらふや丸炙/高井几董
武士の肝見るごとし花貝母/高澤良一
芋の葉の闇にざわめく肝試/西村梛子
空海の肝のごとくに寒落暉/宮脇白夜
翻車の肝和え春と思ふべな/高澤良一
いのち今日うなぎ肝たべ虔めり/籏こと
俳句例:41句目~
青葦の風透徹す肝に腑に/竹下しづの女
山女祭山女の肝を御饌として/海野/勲
生肝を献じて従五位壱岐津彦/高柳重信
朝雲に肝染めながらカモメ啼く/渋谷道
セロリーの音たてて食む休肝日/林康子
牡蛎鍋に酒をたつぷり休肝日/下間ノリ
肝吸に隣のバーのネオンかな/鈴木鷹夫
母が鵞肝むさぼる萬國博覧會/塚本邦雄
我が肝を曳きて古しや春の川/永田耕衣
往診医肝つぶしたり軒の蛇/瀧澤伊代次
目高立体誰彼の肝見透しに/中村草田男
風呂吹や火棚に吊す熊の肝/菅原多つを
海のもの山のものとも熊の肝/堀米秋良
肝木の熟れ実は鳥に美味からず/高澤良一
梨花咲きたりわが赤らみし肝膾/金子兜太
枯芝に転べば肝のあたたかき/栢尾さく子
花火野郎青嶺の肝を抜き来しと/高澤良一
眠る山肝にちからを入れてをる/斎藤梅子
越年す肝の在処をたしかめて/宇多喜代子
遅き春喰ひては寝るよ肝病めば/北野民夫
俳句例:61句目~
わが肝を覗ける梅雨の鏡かな/野見山朱鳥
肝張っていきいき鳴ける朝の虫/高澤良一
達磨忌の肝病む北のガラス透き/大中祥生
銀どろのろくぐわつ鳥の肝を刺し/八田木枯
命けふ鰻肝食べ虔めり/籏こと「命虔めり」
菜が咲いて束ね/肝煎/十村役/猿橋統流子
ブギ/ウギに春の心肝ゆらりゆら/筑紫磐井
恋の肝/枯木に忘れて帰りましよう/松本恭子
カラオケはオウムの肝を吸いますの/五島エミ
よく焼けしうなぎの肝や山眠る/久保田万太郎
むら肝のおとろへを知る懐炉かな/阿波野青畝
熊の肝を干しあげて炉を塞ぎけり/石沢蟹城子
肝膽あはあはとして「星の王子様」/塚本邦雄
膳の高橋の名を負へればか火を目守るこそ群肝さやげ/高橋睦郎