わらべに関連した俳句の例をまとめました。
わらべを含む俳句例
北国の正月を待つわらべ唄/今村青
女わらべの袖比べけり節小袖/魯白
扇取るわらべ可愛し謠初/正岡子規
喃わらべ蜆はいくら蛤は/正岡子規
春待つや厨の妻のわらべ唄/今泉貞鳳
月十四日今宵三十九の童部/松尾芭蕉
京わらべ三尺帯に扇子かな/石橋秀野
傾城のわらべがましき手鞠かな/万容
冬の靄口を離れぬわらべ唄/山田一男
梅寒の瀬音を奪ふわらべ声/河野南畦
紙砧子守わらべの立つ戸より/及川貞
良寛忌湯舟で歌ふわらべ唄/宮島糸子
わらべ七人山椒の水あふれ/若森京子
尿せしわらべを叱る霜夜哉/正岡子規
年玉を宿のわらべに老遍路/壺井久子
七夕や昔むかしのわらべ歌/野村きく
たんぽゝや紅腿引の里わらべ/久米正雄
わらべ唄地蔵にひびき明けの春/堤久子
猫柳傘あゆむかにわらべ来る/山田文男
わらべ達皮は味ないぞ真桑瓜/上島鬼貫
俳句例:21句目~
岩室涼し石を重ねてわらべ墓/河野南畦
百両の萬年青引ぬくわらべ哉/正岡子規
わらべらに天かがやきて花祭/飯田蛇笏
石どれもわらべ顔して水温む/工藤義夫
紅梅の散るやわらべの帋つゝみ/炭太祇
わらべうた京大阪は花ざかり/大石悦子
新月に牧笛をふくわらべかな/飯田蛇笏
衣食足りわらべ唄消え雁の秋/藤田湘子
灌仏やはだかわらべの晴れ心/正岡子規
張子の御影女わらべや御忌に逢ふ/昌夏
気の長きわらべが祭牛を御す/沢村越石
鯰獲てわらべが濡らす春の蕗/大島民郎
ままごとのわらべのしたる懐手/飴山實
わらべ唄かなで精霊流しかな/佐川広治
日輪のわらべとなりて野に遊ぶ/高橋範子
牛飼のわらべがかざす紅葉かな/村上鬼城
丸顔の祇園囃子の京わらべ/長谷川浪々子
けんぽ梨狸をさそふわらべ唄/加藤知世子
十三詣美しきめわらべ我になし/寺井谷子
菱採りのわらべ手掻きの盥舟/下村ひろし
俳句例:41句目~
よく聞こゆ芋煮あそびのわらべ唄/下田稔
霜きびし山のわらべの喇叭鳴る/飯田蛇笏
花吹雪駈けゆくわらべ立つわらべ/及川貞
かげろひて通る信濃のわらべ唄/長谷川双
磯わらべ青海苔きざみ遊ぶなり/岡本松浜
無花果やわらべ心に剥かぬまま/乗本真澄
わらべらも添へて門火の麦藁火/木津柳芽
きりもなく椿落つるよわらべ唄/櫛原希伊子
この路地の柿鈴なりにわらべ歌/古賀まり子
ふるさとは風に吹かるるわらべ唄/伊藤信吉
わらべうた路地よりきこえ宵天神/宮下翠舟
わらべらの花野にわれも入りゆけり/岸田稚
千燈明をともすわらべの露の秋/吉岡禅寺洞
天高し/継ぐべきものにわらべ歌/中田敏樹
林檎咲く野しろいしろいわらべ唄/豊田都峰
良寛忌わらべとなりし母なりき/青木つね子
日照草爆死わらべの碑のほとり/下村ひろし
三日月は星のわらべのすべり台/山崎ふじ子
花野ゆき行きて老いにしわらべかな/森澄雄
女わらべのことに執念もぐら打/岡入万寿子
俳句例:61句目~
著莪咲けばわらべに戻り手まり唄/清水千恵
虎杖さげしわらべ早し木がくれす/喜谷六花
梅に酌む唄は軍歌や二度わらべ/山口いさを
炎天につよく生まれて甲斐わらべ/筑紫磐井
かまくらや今日は嬶座のわらべたち/堤京子
くさめくさめ平氏をはやす京わらべ/筑紫磐井
わらべらに堂塔高き甘茶かな/五十崎古郷句集
わらべ水蜜桃をすするうなじを伸べ/喜谷六花
茸狩りのわらべこだまに憑かれけり/西島麦南
わらべらに寝ねどき過ぎぬクリスマス/山口誓子
露の玉つまんで見たるわらべ哉/一茶/文政二年己卯