土塀に関連した俳句の例をまとめました。
土塀を含む俳句例
秋の蜂萩の土塀を西東/飴山實
春の通夜土塀匂へり侍町/杉本寛
懐旧や土塀の長き吊柿/古舘曹人
森閑と山あり土塀杏熟れ/及川貞
禅寺の油土塀に秋闌けて/高澤良一
蔦からむ侍町の土塀かな/正岡子規
燕来る土塀石垣雨を吸ひ/伊藤京子
土塀の日向の記憶四温光/深谷雄大
水仙や土塀の上に雪の山/正岡子規
花蘇枋土塀空間廃れたる/和田悟朗
寺町の土塀石垣残暑かな/小杉余子
村塾や土塀崩れて散る柳/会津八一
青蛙土塀そのまま三十年/大野林火
高畑の崩れ土塀や昼の虫/高橋悦子
冬入日大悲願寺の長土塀/金子栄子
冬青空秋田武家町土塀寂び/村田脩
藪かこふ寺の土塀や蔦紅葉/正岡子規
斑鳩の潰えし土塀緋桃咲く/伊東宏晃
花馬酔木土塀曲れば水曲る/中村明子
花虻に抜け穴のある寺土塀/伊藤白潮
俳句例:21句目~
紫禁城の土塀の外の柿一枝/伊藤敬子
蜜蜂や土塀はさみし同ひ年/平田笙子
久米寺の長き土塀や月明り/岡本松浜
旧邸の土塀くづれて寅彦忌/西野加寿
寺焼けて土塀の隅の百日紅/正岡子規
水仙や土塀に見こす雪の山/正岡子規
剥落の土塀の厚み春隣/大豆生田耕一
春雷や予園土塀に竜五頭/佐伯千鶴子
六尺ノ百合三尺ノ土塀カナ/正岡子規
散り梅の水たまりあり土塀町/井上雪
斑猫の土塀翔んでは法隆寺/住友勝一
長命を願わず芙蓉土塀まで/和田悟朗
雨衝くや土塀のかげに葱見ゆる/孝作
春雨の土塀にとまる烏かな/正岡子規
夏みかん土塀に溢れ城下町/北里千寿
鷄頭の丈を揃へたる土塀哉/正岡子規
永き日や土塀の中の蜜柑畑/楠目橙黄子
望郷や土塀コスモス咲き亂れ/星野立子
柿の花土塀の上にこぼれたり/正岡子規
椎落ちて志士潜むかに長土塀/原子公平
俳句例:41句目~
油小路の土塀のぬくし御講凪/島端謙吉
町屋根の反り金木犀の土塀際/加藤耕子
百姓ノ土塀ニ沿フテ百合ノ花/正岡子規
菜の花や土塀と壁の真ッ日向/滝井孝作
黙々と土塀つらなり花垂るる/臼田亞浪
つきあたり寺の土塀や冬の雨/京極杞陽
人がやがや土塀を起す野分哉/正岡子規
冬来つつ土塀土蔵も人ごゑす/橋本鶏二
地震予後土塀を砕く東風の牙/吉原文音
春昼や土塀をやぶる村の松/大峯あきら
白い土塀冬かげろうのなかに父/大井雅人
ゆく春の鹿来て土塀ついばめる/萩原麦草
まんさくや油土塀は昏れてゐて/中川禮子
胡麻干すや新羅造りといふ土塀/江川虹村
どこまでも土塀ばかりや秋の暮/野村泊月
当麻あたたかくて土塀大崩れ/大峯あきら
雨後の信濃土塀くづれの花林檎/宮坂静生
杏熟れ日の出にけむる濡れ土塀/西村公鳳
土塀片蔭選び選びて来しところ/細見綾子
黄落のはげしき夜の土塀かな/ふけとしこ
俳句例:61句目~
紅梅の咲きわたりたる土塀かな/野村泊月
屋根替や土塀めぐらす大百姓/阿部みどり女
どこまでも蝉声濃しや長土塀/鍵和田ゆう子
くつきりと土塀の仕切冬に入る/金箱戈止夫
まくなぎや土塀崩れて棕櫚くらき/幸田露伴
飛鳥路の秋はしづかに土塀の日/長谷川素逝
牡丹の芽ひくき土塀をめぐらせる/奈良鹿郎
へんてつもなき土塀にてあたたかし/内田美紗
土塀崩れて縁より見ゆる冬田かな/石島雉子郎
土塀にそひ行けば花あり思ひがけず/成瀬正とし
土塀と柿とふるき抒情は見ていわず/栗林一石路
土塀壌ちて石入れ据ゑぬ冬の月/新傾向句集/河東碧梧桐
土塀に突つかひ棒をしてオルガンひいてゐる学/校尾崎放哉