春虹/春の虹に関連した俳句の例をまとめました。
春虹/春の虹を含む俳句例
幼子の泪すぐ消ゆ春の虹/大串章
春虹の頂見んと森を出づ/溝口青男
春の虹花選る人を店の中/宮津昭彦
震度五の空が屈折春の虹/吉原文音
をののける雄鶏一羽春の虹/原田喬
落書にいさゝかの毒春の虹/飴山実
歩行器に油さす母春の虹/花田春兆
春の虹鳥になる子を育ており/杉田桂
春の虹この道ゆかば都あと/柿本多映
春の虹そのあと昏し足洗ふ/野澤節子
春の虹片脚余呉に下しけり/加古宗也
春の虹手紙の母に愛さるる/寺山修司
春の虹幼き我と見ておりぬ/鳴戸奈菜
襖絵の虹のつづきに春の空/大木美沙
蘭しげる滝口みえて春の虹/飯田蛇笏
一脚は西大寺より春の虹/河原枇杷男
丘の上に女学院あり春の虹/岸風三楼
春の虹断崖に立つ聖十字/柴田白葉女
兄弟の見上げる春の虹二重/満田春日
苜蓿つめたし春の虹かけて/内藤吐天
俳句例:21句目～
眼の玉の中にも水や春の虹/桑原三郎
大頭ならでは見えじ春の虹/和田悟朗
天橋の根のくろさや春の虹/西山泊雲
武蔵野の森より森へ春の虹/鈴木花蓑
密息や山の根に浮く春の虹/赤尾兜子
朝戸出の人々のみに春の虹/中村汀女
抽斗につかはぬ音叉春の虹/菅原鬨也
春虹や蔵王しめりの靴脱げば/清水基吉
春虹の消えぎはに逢ふ柩出し/福永耕二
晩年やあまりに淡き春の虹/柴田白葉女
竹山に春の虹立つ間近さよ/松本たかし
たをやかに幽明距つ春の虹/殿村菟絲子
遠く見るを忘れて久し春の虹/谷口桂子
五十鈴川奔り出でたる春の虹/野澤節子
春の虹坂は自転車の上で歌ふ/石川桂郎
吾子は早やわれを恃まず春の虹/八木芳
春の虹映れりくらき水の上/柴田白葉女
春の虹泣ぐせことはもう泣かず/岸田稚
春の虹消ぬまでの物思ひかな/中村苑子
春の虹田村俊子の墓小さき/岩井久美恵
俳句例:41句目～
春の雁眉うしなうて眩しめり/角川源義
砥石持ち母現はるる春の虹/郡山やゑ子
春の虹とゞろく滝に澄みのぼる/中川宋淵
春の虹智恵子の空に懸かりけり/高原春二
春の虹うつれりくらき水の上/柴田白葉女
春の虹褪せゆく中に孤りなり/柴田白葉女
春の虹誰にも告げぬうちに消ゆ/朝倉和江
春の虹山羊にはいつも首の鐶/百合山羽公
山国や手触れて消えむ春の虹/文挟夫佐恵
樹影身に揺れつつ遠き春の虹/柴田白葉女
奥美濃のなかなか消えぬ春の虹/細見綾子
夢殿に阿うんの春の虹立てり/冨田みのる
墨買ふや大和にかかる春の虹/町田しげき
馬車駈りて野に遊びけり春の虹/鈴木花蓑
春の虹川よりいろの湧きにけり/谷口桂子
まばたいて睫毛に春の虹たたす/野沢節子
乳房やああ身をそらす春の虹/富澤赤黄男
ゲルニカの馬にまたがり春の虹/仙田洋子
みんなみに根の残りたる春の虹/伊藤通明
春の虹消ゆまでを子と並び立つ/大野林火
俳句例:61句目～
ことばもて子に距てらる春の虹/柴田白葉女
ひとごとのような寂しさ春の虹/平井久美子
春の虹消えて木椅子に猫ねむる/柴田白葉女
春の虹消えまじとしてかかりをり/細見綾子
母の脆さ見すかされをり春の虹/柴田白葉女
瞽女去つて佐渡に根のある春の虹/佐川広治
貧富すべなし春の虹どこからも見ゆ/本多脩
ほとばしる乳に噎せる子春の虹/小野とみえ
春の雪ぐつとばいして寝ることよ/角川源義
うすかりし春の虹なり消えにけり/五十嵐播水
春の虹あえかに立てば事務室のたれもやさしく窓ぎはに寄る/大西民子
