日矢に関連した俳句の例をまとめました。
日矢を含む俳句例
沖に日矢十一月の波頭/星野椿
鶲呼ぶ老女童女に風の日矢/原裕
逃亡や牛がけちらす冬の日矢/原裕
反転の寒鯉黄銀日矢の中/中村明子
日矢射して淵の青さよ霰魚/中村春逸
大灘に日矢いくたびも鍬始/斎藤梅子
畳の目雪垣解きし日矢遊ぶ/草間時彦
太き日矢立ち啓蟄の荒磧/鷲谷七菜子
子の朝寝篁に日矢遊びをり/清水基吉
子を旅へ放つ日矢射す露葎/小林康治
螢谷日矢さして亀孵りけり/堀口星眠
冬耕の恵那谷深く日矢一つ/羽部洞然
帰り鵜やいまし全島日矢の中/岸田稚
臘八の日矢の金色雲間より/倉橋弘躬
千条の日矢の海恋ふ宝船/河本沙美子
石菖に青き日矢さす氷室口/新井盛治
日矢厚し点から点へ虻飛んで/北野民夫
時雨雲割れて日矢差す浮御堂/斎藤朗笛
ふりむかぬ大勢に射す春の日矢/桂信子
まだ淡き日矢の手さぐり蕗の薹/吉本昴
俳句例:21句目~
朝の日矢燕の巣立つ消防署/伊藤いと子
梅雨雲を日矢躍り出づ信夫郡/杉山岳陽
佐渡の上に日矢旺んなり鰤起し/岸田稚
水洟や遠日矢の嶺消えたれど/杉山岳陽
湿原の日矢射す方の恵方かな/斎藤青火
烈風の日矢薙ぎゆくや霧氷林/小林碧郎
砂山の歌碑に日矢立つ鰤起し/伊藤京子
紅卯つ木日矢聚むるは吾妻山/杉山岳陽
雪原の日矢に盲ひし達磨売り/木内彰志
啼く田鶴の一身銀の日矢の中/橋本榮治
太き日矢さしたる中の滝桜/石田阿畏子
孑孑の水かけのぼる朝の日矢/那須淳男
日矢かへす鴫群翔の大干潟/坂本香寿子
日矢やさし松は年経し実朝忌/清水基吉
落葉焚く煙は日矢を昇りけり/伊藤瓔子
日矢こぼしゆける迅さに秋時雨/稲畑汀子
楮晒し日矢幾筋も引きちぎる/殿村莵絲子
一条の日矢沖にしてえりを挿す/中浜菌芽
二上山にまだ日矢のある秋燕忌/佐川広治
入院の師のかむばせに春の日矢/青木重行
俳句例:41句目~
春の日矢珊瑚の海が浮び出す/河野多希女
冬田にも喜面渋面日矢差せる/藤原たかを
日矢とどく聖泉春を奏でをり/秋月すが子
技師の夢遠し寒鴉日矢に入る/米沢吾亦紅
焼工場日矢群がりて萌ゆるらし/石田波郷
石蕗の花赫と日矢さす九十九里/水野柿葉
枯菊の日矢まとひたる微塵かな/小林康治
竜串の日矢さびします花きぶし/河野南畦
枯葦の色なく立てる日矢の中/鷲谷七菜子
美しく日矢透きとおる芽木の森/下山一羽
花野より白根を指せる雲の日矢/細見綾子
日矢を背にさきがけて掘る蕗の薹/寺田博
日矢の中泉にひたす櫛ちさき/鷲谷七菜子
ときをりの日矢をよろこぶ紅葉山/仙田洋子
冬の日矢二○○○年来る加速して/銀林晴生
冷やかな沖の日矢見て旅ひとり/鷲谷七菜子
先づ師碑に届きし日矢の初日影/関野八千代
暗がりの蜷にときどき日矢の射す/石渡芳美
戸の隙の日矢に起きいで十二月/石田あき子
海の面を冷じき日矢とらへたる/八木林之介
俳句例:61句目~
枯るゝ崖日矢の踊ればやはらかく/杉山岳陽
咳きに咳く日矢太束にひれふして/石田波郷
降る火山灰に日矢衰へて阿蘇の冬/中村田人
黄葉山どんどん日矢のあたりけり/仙田洋子
雲割れて日矢の射しけり仏の座/豊長みのる
鵙音落つ敗荷に日矢の揺ぎかな/大須賀乙字
受難節の日矢むらさきに雪の原/鷲谷七菜子
初場所やまだ序の口の日矢さして/水原秋桜子
寒潮の日矢ことごとく消え去れり/大岳水一路
しぐれ忌の日矢を遠見の志賀にあり/藤田湘子