合羽に関連した俳句の例をまとめました。
合羽を含む俳句例
郭公持ちあぐみたり袖合羽/鳩枝
馬合羽雪打ち払ふ袖もなし/令徳
七夕に貸さねば疎し絹合羽/杉風
透明の合羽に遍路衣かな/小澤實
雪合羽ひきずる女臭し/近藤一鴻
小田原で合羽買たり皐月雨/蕪村
白雨や肩をやすめる合羽持/西意
雨合羽峡の田植はただ黒し/林翔
陽炎や厩の軒の古合羽/寺田寅彦
代掻の合羽の泥を雨流す/大熊輝一
雨合羽袷の肌へ覚えけり/小杉余子
男合羽の女ゆく岬枇杷の花/武政郁
紙合羽かろしやうき世夏念仏/其角
行列の合羽も笠も吹雪かな/花牛堂
木綿合羽露の舎りや昔の野路/調鶴
桐油合羽ぬぎし心よ今朝の秋/露言
合羽着て愛宕戻りや花の雨/田中王城
合羽着て父煙り去る青田道/石塚友二
七月や目玉大きく合羽着て/松本文子
二日はや能登行商の雪合羽/新田祐久
俳句例:21句目~
峰入の霧に冷えきし雨合羽/飯田京畔
水汲むや雪の合羽の女とは/正岡子規
花人参白い合羽は巡査です/森眞砂人
夕立雲迫ると鉾へ雨合羽/吉田みち子
鵜の庭に滴りて干す黒合羽/辻恵美子
火に寄れば皆旅人や雪合羽/細見綾子
山霧や妊る牛に合羽着せ/坂本のり子
袖は一重二重合羽や菊の花/正岡子規
台風や四肢いきいきと雨合羽/草間時彦
むさし野や合羽に震ふ露の玉/黒柳召波
五月雨の合羽つゝぱる刀かな/正岡子規
五月雨の合羽を出たる刀かな/正岡子規
五月雨や合羽の下の雨いきり/立花北枝
山駕に著せし合羽や花の雨/市川東子房
田植了りし信濃の子等の雨合羽/森澄雄
合羽つづく雪の夕べの石部駅/正岡子規
合羽につく病葉凶作の紋章か/大熊輝一
合羽着て下女も下男も秋の雨/鈴木花蓑
騎子の妻梅雨の合羽に男帽/五十嵐播水
合羽黒くかこむ鯖船どこも雨/古沢太穂
俳句例:41句目~
塩鱒を入れてつつぱる雪合羽/矢島渚男
鰤揚げし合羽のままの除夜詣/小林俊彦
山寺へ帰る子ひとり雪合羽/塩原佐和子
菊おこす風雨の合羽頭にかむり/及川貞
案内乞ふ合羽の雪や知らぬ人/正岡子規
菫のやうに泪もろくて雨合羽/清水径子
藁屋根に合羽干しけり桃の花/寺田寅彦
藤の実の下に戻りて合羽脱ぐ/広瀬直人
血に染みし従軍の合羽土用干/正岡子規
血のつきし従軍の合羽土用干/正岡子規
郁子も濡るる山坂僧の白合羽/野澤節子
氷漁の合羽を脱げば乙女なる/大島民郎
鈴虫や翅の合羽を立てて鳴く/堀口星眠
雨合羽光らせ鮴のがらびき漁/高澤良一
棺桶に合羽掛けたる吹雪かな/村上鬼城
雨合羽干して仮寝の鮭番屋/佐藤さき子
颱風や四肢いきいきと雨合羽/草間時彦
夜焚火にみな借りものの雪合羽/横山房子
菜の花の合羽につける風雨かな/松藤夏山
雪ちらちら峠にかかる合羽かな/夏目漱石
俳句例:61句目~
雪合羽汽車に乗る時ひきずれり/細見綾子
触れてゆく霧の音生む白合羽/中戸川朝人
脱ぎ捨てて重たかりしよ雪合羽/堀米秋良
海鳴るや春着をかくす合羽着て/大島民郎
合羽着て雨のふらここ独り占め/石川美佐子
荷に添はぬ合羽掛けゝり五月雨/石島雉子郎
手のぬれて田植の合羽鵜のごとし/古舘曹人
たましいという名の雨合羽屋ある/阿部完市
除雪夫の小屋に湯気立つゴム合羽/山崎羅春
合羽きるほどはふらない旅の雨ふる/種田山頭火
茄子植うやうらわかき日の雨合羽/石田波郷「風切」
鰒提てむさしの行や赤合羽/一茶/文化三年丙寅