磨崖仏に関連した俳句の例をまとめました。
磨崖仏を含む俳句例
威銃谺して大磨崖仏/牧野春駒
激流の上に年来る磨崖仏/あきら
囀の中や臼杵の磨崖仏/中川幸子
磨崖佛近く薄氷張りにけり/日原傳
唇の分厚く日永の磨崖仏/高澤良一
鼻先に野茨下がり磨崖佛/河野聖城
鳥交る真下長身磨崖仏/九鬼あきゑ
露けしや磨崖仏にも石廂/川崎慶子
一燈と熟柿を磨崖仏の裾/皆吉爽雨
下闇に並びて仰ぐ磨崖仏/奈良鹿郎
粧へる山に傷みし磨崖仏/原口英二
人の声石の声凍て磨崖仏/玉城一香
磨崖仏統る一山ほととぎす/林昌華
かな～に耳貸し給へ磨崖佛/松木百枝
磨崖仏千年が過ぎ蝶が過ぐ/岸原清行
磨崖仏囲み変化す濃紫陽花/難波澄子
磨崖仏宇陀の菫に立ち給ふ/皿井旭川
磨崖仏抱ける山の眠りけり/高山一政
わが顔のひとつが凍る磨崖仏/石寒太
一つ葉や忿怒相して磨崖仏/南上北人
俳句例:21句目～
磨崖仏色鳥の声経と聞く/内田美津代
磨崖仏萩が忘れし風を呼ぶ/河野南畦
冷まじや地中へ続く磨崖仏/川崎慶子
磨崖仏鴉が巣枝咥え過ぐ/米沢吾亦紅
笹鳴や浄土追はれし磨崖仏/加藤楸邨
宇陀川の瀬音涼しき磨崖仏/山本光江
寒禽の散華とこぼる磨崖仏/小早川恒
紅梅や石に沈める磨崖仏/猪俣千代子
杉が咲き鼻の大きな磨崖仏/菖蒲あや
藤棚をくぐりて拝む磨崖仏/衛藤睦子
石楠花や当尾の里の磨崖仏/吉田積徳
磨崖仏その肩の辺の冬紅葉/伊藤敬子
磨崖仏の陰線枝垂る裸木へ/羽部洞然
蜂くれば人の顔して磨崖仏/加藤楸邨
磨崖仏一筋の風や秋近し/赤木日出子
磨崖仏の膝下まで寄る掃納め/秋元道子
どくだみの十字を灯す磨崖仏/遠藤梧逸
ほうほうと梟の夜の磨崖佛/嶋田つる女
まくなぎを片手払ひに磨崖仏/長尾鳥影
一山の枯れの中なる磨崖仏/正部家一夫
俳句例:41句目～
戻り梅雨みな横顔の磨崖仏/金田一一子
磨崖仏見むと枯野に深く入る/宮田正和
磨崖仏滴る山におはしけり/安達実生子
磨崖仏かささぎの声返しけり/小串歌枝
磨崖仏みぞれと少女白く過ぐ/角川照子
青蔦のがんじがらめに磨崖仏/菖蒲あや
磨崖仏滴りに浮く眉目かな/柴田白葉女
鷹鳴いて肩暮れやすき磨崖仏/林十九楼
麦を蒔く人を遠くに磨崖佛/松田八洲丸
人が彫り露が彫りたる磨崖仏/鷲巣ふじ子
磨崖佛おほむらさきを放ちけり/黒田杏子
夏川をかちわたり見る磨崖仏/五十嵐播水
磨崖仏草木瓜噛んで酸つぱいぞ/加藤楸邨
磨崖仏へ畦ふみはづす走り梅雨/田中水桜
磨崖仏いよいよ坂のさねかづら/伊東伸堂
蜥蜴見し目もてをろがむ磨崖仏/菖蒲あや
磨崖仏おほむらさきを放ちけり/黒田杏子
磨崖佛どこかに黴たるところかな/高濱年尾
磨崖仏どこか黴びたるところかな/高浜年尾
磨崖佛をろがみ植うる峡の田を/水原秋櫻子
俳句例:61句目～
雪崩るると瞳より顕はれ磨崖仏/加藤知世子
余花しづく髪にし磨崖仏もまた/きくちつねこ
滑るはこべら崖うつうつと磨崖仏/秋元不死男
ころりころりと蝉が死にをり磨崖仏/野澤節子
磨崖仏河鹿鳴きつゝ暮れたまふ/水原秋櫻子「古鏡」
虫送りここまでといふ磨崖仏/吉川一竿「かつらぎ選集」
磨崖仏みえますかこのあたりですが青葉蒸れの/伊丹公子
磨崖佛のひとみに日の燃えおつる地平線がない/吉岡禅寺洞
