秋の蝿に関連した俳句の例をまとめました。
秋の蝿を含む俳句例
振上げた我手眺めつ秋の蝿/桃李
印南野や笠の蝿追ふ秋の風/才麿
飯盛れば這て来るなり秋の蝿/蓼太
秋蠅や人丸庵の飯にとぶ/飯田蛇笏
口上の裃秋の蠅一つ/長谷川かな女
臆病なぼく大胆な秋の蝿/小西昭夫
仏飯につきて離れず秋の蝿/田中紅朗
号泣の人の背中の秋の蝿/大木あまり
闇汁やランプの笠の秋の蠅/会津八一
一匹殺されて秋蠅薄笑ふ/百合山羽公
富士高く海低し秋の蝿一匹/西東三鬼
行く末を考へてゐる秋の蝿/福永直子
秋蝿の次第に重き風となる/岩淵卓正
秋蠅もとびて大堰の屋形船/飯田蛇笏
銀積みし港の跡や秋の蝿/磯貝碧蹄館
日だまりの石を離れず秋の蝿/杉良介
電球の切れて戸惑ふ秋の蝿/乙武佳子
水門や木目にすがる秋の蠅/飯田蛇笏
火山弾上にぬくもる秋の蠅/高澤良一
残る蝿蝿取紙の方へ行け/佐々木六戈
俳句例:21句目~
上嵯峨や屋ありて秋の蠅/松根東洋城
秋の蝿巌につるめり沖昏む/西東三鬼
秋の蝿辿る海図の緯度経度/大島民郎
秋の蠅寝顔踏まへて遊ふなり/尾崎紅葉
この寺の秋蝿多きことかなし/上原はる
書反古に秋の蠅降り舐め渡る/石塚友二
秋の蝿一つ真水の上に死す/中村草田男
秋の蝿少しく飛びて歩きけり/高濱虚子
秋の蝿二三度とんで宿を出る/三橋敏雄
秋の蝿叩かれやすく成にけり/正岡子規
草庵のよはりはじめや秋の蠅/内藤丈草
ゐなみのや笠の蠅追ふ秋の風/椎本才麿
秋の蝿握つてそして放したり/夏目漱石
秋の蠅少しく飛びて歩きけり/高浜虚子
秋の蠅一つ真水の上に死す/中村草田男
人無くて厨は秋の蠅まかせ/波多野爽波
夜の客に翅ひゞかせて秋の蝿/飯田蛇笏
扇折るや烈火にとべる秋の蠅/飯田蛇笏
けさの秋蠅殊勝にも見えにけり/尾崎紅葉
この宿の残る蝿とて多すぎる/佐々木六戈
俳句例:41句目~
秋の蝿二尺のうちを立ち去らず/正岡子規
ブラジルの秋の蝿追ひ歡談す/保田白帆子
二つゐて親しむとなし秋の蠅/高橋淡路女
秋の蝿打たれる為に飛んで来る/三木節子
秋の蠅うてば減りたる淋しさよ/高濱虚子
秋の蠅我が頬はなれ土ねぶる/石橋辰之助
笠について一里は来たり秋の蝿/正岡子規
秋の蝿うてば減りたる淋しさよ/高浜虚子
薬つぎし猪口なめて居ぬ秋の蝿/杉田久女
陣取りの椅子にはぐれる秋の蝿/小田泰枝
秋の蝿一茶にしたるごとくせり/藤田湘子
濡れ縁という内堀にいる秋の蝿/阿保恭子
つぶらかに秋蠅とるやたなごゝろ/飯田蛇笏
秋の蝿生れしばかりの牛の子に/粟津松彩子
わがからだぬくしととまる秋の蝿/山口誓子
ひるねさめて噛みつく犬や秋の蠅/飯田蛇笏
神馬灰色秋蝿に眼をしばたたき/長谷川朝風
一つ打てば一つ減るなり秋の蝿/大橋桜坡子
顔かくす猫のまろ寝や秋の蠅/菅原師竹句集
飛んで来て直ぐに打たれし秋の蝿/石川風女
俳句例:61句目~
秋の蠅静かに這へり卑しからず/高橋淡路女
秋の蠅わすれてゐれば居ずなりぬ/松瀬青々
日だまりにかたまってゐる秋の蝿/竹田/佳女
町あげてミスコンクール秋蝿殖ゆ/ねじめ正也
ちよつちよつと貌なめに来る秋の蝿/川崎展宏
秋の蠅かうべむやむや足ぜせり/加賀-秋之坊
頭を病むやべたべたと舞ふ秋の蝿/田多井みすゞ