秋惜しみに関連した俳句の例をまとめました。
秋惜しみを含む俳句例
秋惜む遥けき友と一つ舟/林翔
しみ~と秋を惜みぬ二三人/嘯山
秋惜しと一声蟲の鳴音かな/太魯
戸を叩く狸と秋を惜しみけり/蕪村
秋惜しむ一手は胸に千手仏/藤井亘
秋を惜しんで湖の上の雲/金田咲子
秋惜む歩を仁清へ乾山へ/山田弘子
晩学の月日を惜み秋惜み/鈴木玉斗
秋惜しむ啄木像は頬杖を/川元安子
水流る方に歩いて秋惜しむ/川原道程
茶会果て雪舟庭の秋惜しむ/伊東宏晃
好晴の秋を惜めば曇り来し/鈴木花蓑
群衆に異人の曲芸秋惜しむ/土屋孝子
空海があるける道の秋惜む/下村槐太
石女と暮れゆく秋を惜しみけり/召波
一の谷風立ちやすく秋惜しむ/谷迪子
旅終へて旅を語りて秋惜む/稲畑汀子
秋惜む山葵醤油の大はしら/小沢碧童
秋惜しむ窗の夕虹卓の果に/飯田蛇笏
川に出て舟あり乗りて秋惜む/上村占
俳句例:21句目~
秋惜しめいのち惜しめと鉦叩/寺島美園
秋惜みつつ住み馴れし京を去る/安原葉
繰返すさざなみの音秋惜しむ/村越化石
高原の秋惜しむ火や土蜂焼く/飯田蛇笏
藤棚の下に安らぎ秋惜しむ/鈴木真砂女
よべ星と語りし秋を惜み発つ/稲畑汀子
光悦が惜みし秋を惜みけり/大橋櫻坡子
山に住みて遠き隣と秋惜しむ/皆川白陀
数多ゐるなかの一羽に秋惜む/橋本榮治
楡の木の雨を聴きゐて秋惜しむ/石嶌岳
沼渡舟すれ違ひつゝ秋惜む/大橋越央子
流木に枝も根もあり秋惜しむ/毛塚静枝
秋惜しむかに南国の雨晴れて/稲畑汀子
玉虫に秋惜しむ情たなごころ/飯田蛇笏
秋惜しみをれば遙かに町の音/楠本憲吉
秋惜しむリーチの皿の鹿の声/椎橋清翠
ぎんなんを祷り石とし秋惜しむ/渡辺恭子
この松の落葉をふんで秋惜む/吉岡禅寺洞
へら鮒を釣つて戻して秋惜しむ/村上辰良
秋惜しむセーヌ川畔によせる波/高木晴子
俳句例:41句目~
寿福寺の辺りに秋を惜しむかな/高木晴子
描く龍眼のいきいきと秋惜しむ/熊倉陽子
秋惜むみちのく人と連れ立ちて/稲畑汀子
十一面観音秋惜しまざる相はなし/安住敦
ゆふぐれの風頬にあり秋惜しむ/若月瑞峰
膝の手を組みかへて秋惜みけり/長谷川双
蕎麦すすり戸隠の秋惜みけり/大橋越央子
牛よりも貧しき目もて秋惜む/百合山羽公
身を出でて離れざる影秋惜しむ/深谷雄大
ながき橋わたりて秋を惜しむかな/長倉閑山
またひとつ橋を渡りて秋惜しむ/佐藤美恵子
秋惜しむこと旅果つることにも似/高木晴子
秋惜しむビルの谷間のカフェテラス/林康子
投げもせぬ石もて沼の秋惜しむ/中村菊一郎
平家とふ詩をもて秋を惜しみけり/西本一都
故宮といふ迷宮に入り秋惜しむ/上田日差子
み吉野ときくにつけても秋惜む/田畑美穂女
タイ購へばネオンの温み秋惜しむ/宮武寒々
秋惜しみ黙すこころの触れあへり/石原舟月
もののねに暮れゆく秋を惜みけり/会津八一
俳句例:61句目~
みづうみの夜の香朝の香秋惜しむ/西本一都
風の音かそけき秋を惜しみけり/高橋淡路女
琵琶弾いて誰ぞ秋惜しむ瀞ホテル/高橋淡路女
羅漢寺の秋を惜しみてふりかへる/秋野寿々喜
数珠買ひて伊予路の秋を惜しみけり/竹中しげる
秋惜しむゆふぐれの日よ樹肌照り/五十崎古郷句集