女体に関連した俳句の例をまとめました。
女体を含む俳句例
茫洋と女体ぞ厚き大南風/林翔
女体とは苦き米なり朧月/攝津幸彦
船団も女体も何も信長忌/攝津幸彦
磧湯の女体の遠き葛の雨/遠藤梧逸
新秋や女体かがやき夢了る/金子兜太
色鳥や女体へ続くぶな林/小川斉東語
女体在り冬に春在り男在り/永田耕衣
女体山より粧ひの始まれり/山本桂仙
汐汲みの女体になだれうつ力/三谷昭
黄落や女体に似たる弦楽器/古橋成光
月の出や女体土偶の身籠れる/辻美奈子
灯を消して女体の奥の月明り/出口善子
炎天の女体アパートヘ一筋道/野澤節子
ねじ花の腐れ間長き女体かな/永田耕衣
炎天の空へ吾妻の女体恋ふ/中村草田男
熊笹を女体へ下るあたたかき/太田鴻村
秋ふかき砂丘女体の円さもち/伊東宏晃
秘仏とは女体なるべし稲の花/佐藤鬼房
稲を刈る夜はしらたまの女体にて/静塔
夜鴨聴く女体白木の湯に沈め/吉野義子
俳句例:21句目~
大鮟鱇触つてみれば女体かな/矢島渚男
紙簀桁横揺れ縦揺れ女体揺れ/吉野義子
女体とは揺れ異なれる櫻かな/小林貴子
女体なき夏山発破岩焦がす/榎本冬一郎
普陀落の大鰤なれば女体めく/宮武寒々
蝗追ふ女体ふはりと川越える/鈴木石夫
髪洗ふ女体限界まで曲げて/竹中碧水史
石仏に女体のくぼみ青秩父/河野多希女
女体図をぶらさげ神の山眠る/白澤良子
女体透く岩湯に楡のあおければ/三谷昭
揺るゝ燈に梵字の女体五月闇/宮武寒々
十二時の睡蓮女体ゆるうして/保尾胖子
えぶり棒雪の女体を突きにけり/沢木欣一
ちちろ虫女体の記憶よみがへる/日野草城
ひびわれる女体の背中が海鳴り/小橋啓生
冬日没る金色の女体かき抱かれ/山口誓子
女体には芯のありしか花疲れ/服部くらら
女体より出でて真葛原に立つ/高野ムツオ
撫で切りの秋風を我が女体とす/永田耕衣
抱きこめば女体虚空の匂いのみ/永田耕衣
俳句例:41句目~
斑の鹿に指かませゐて女体恋ふ/川口重美
寒垢離の水が女体を打つて火に/山下半夏
芍薬を嗅げば女体となりゐたり/山口誓子
茶の花を詠ひて女体おとろふる/下村槐太
てのひらの鮎を女体のごとく観る/沢木欣一
女体冷ゆ仕入れしのそれよりも/鈴木真砂女
紙追ふと伸べし女体の脾のあたり/下村槐太
室のうど女体のごとく抱いて出る/太田/翠
離春期の女体とならび丘に燃え/岡崎北巣子
牡丹は女体をとこら眸をそらせ/稲垣きくの
牡蠣割女かきは女体の青さもつ/日垣四月子
夜汽車きて音なく止まる女体かな/高橋比呂子
女体とはかかる牡丹の吹かれざま/稲垣きくの
田を植えし女体を風呂の火が染める/大井雅人
痩せて汗疹女体てふにはほど遠し/中島みさを
栗鼠となる女体若葉を駈けのぼる/柴田白葉女
燐寸が燃やした束の間の女体の嵩/林田紀音夫
阿修羅の鵜女体とききしあはれさよ/渡辺桂子
シャガールの青闇/真闇/蛇/女体/小檜山繁子
夏の風吹くとき女体幽みけり/窪田玲女「花筺」
俳句例:61句目~
女体の奥鳴りいだすごとく羽子を打つ/加藤楸邨
炎昼の女体のふかさはかられず/加藤楸邨「野哭」
涼しさや何にほほゑむ女体仏/加藤楸邨「沙漠の鶴」
海岸線を女体と思ふ一瞬を地図に見て旅組みてゆくかな/黒瀬珂瀾