塾に関連した俳句の例をまとめました。
塾を含む俳句例
冬服の少年集ふ補習塾/鈴木卓
花曇中に数学塾灯り/本田博子
適塾の天秤皿に冬の塵/倉持嘉博
山盛り蜜柑潰えて家塾事始/林翔
簾吊り入谷に今も論語塾/峯高子
黒板に繭玉の影受験塾/沢木欣一
露涼し方十尺の書斎跡/ひろし/
書道塾夕日の軒の釣忍/三原清暁
適塾の坪庭の日に龍の玉/田中英子
雀の子算盤塾の外にこぼれ/南典二
春泥の靴溢れをり珠算塾/塩田晴江
春雷や筆垂直に習字塾/赤松けい子
朝寒し適塾を守る拭掃除/岩崎照子
適塾の黴の蘭學始かな/佐々木六戈
買入れし炭百俵や保科塾/北村春畦
一葉忌舞妓の通ふ英語塾/荒井書子
二三本扇捨てあり塾の庭/正岡子規
辿りつく開拓女塾雪の中/高濱年尾
適塾に畳のあまた落霜紅/山西雅子
塾の子に温め直す薩摩汁/寺岡捷子
俳句例:21句目~
塾閉ぢし妻の洗へる硯かな/綾部仁喜
境内に松陰塾や小鳥来る/秋本三代子
境内は塾の近みち花明り/磯崎ゆきこ
神農祭適塾は戸を固く鎖す/品川鈴子
塾の子の夜の鞦韆高く漕ぐ/田中芙美
塾の子の鞄に釣瓶落しかな/佐伯星子
色鳥やピアノ塾ある浜通り/千田一路
蝉しぐれ少年はみな塾通い/金子/朗
松陰のきらめく塾の白障子/川畑克己
梅雨深し適塾昼の灯を点す/安部/桂
珠算塾ともり橙おちてゐる/南/典二
探梅行鳴瀧塾址垣間見て/下村ひろし
鯛焼の屋台に並ぶ塾帰り/相河美智子
うつぎ散ることよ松陰塾の雨/中山純子
きさらぎの山道見ゆる書道塾/広瀬直人
色変へぬ松や明治を生みし塾/谷口自然
草の実のさやぐ日暮の塾教師/松村多美
塾かなし入学の子に喇叭吹き/田村了咲
塾の子の出鼻をくじく春の雷/清水晴子
塾の子の影をつらねて十三夜/栗山妙子
俳句例:41句目~
英語塾兼ねる山寺かんこどり/高橋八男
山茶花や竹刀ほしたる塾の壁/中川四明
書道塾出る子入る子に玉霰/福田甲子雄
蝉捕りを中断塾に出かける子/高澤良一
桃咲くや雨にとざせるバレー塾/金子潮
梅雨夕焼算盤塾に子等昏む/田川飛旅子
適塾の刀痕あまた身に入みぬ/岩崎照子
椎咲くや恋芽ぐみゐる英語塾/野村喜舟
昭和塾出でて孔子木落葉かな/青木重行
蝸牛画塾に連れて来られけり/羽根嘉津
雲野のバス算盤塾へ子を運ぶ/鈴木貞雄
塾帰り小さき胼の手さすりやる/玉澤淑子
羽蟻這ふおそき電車に塾教師/田川飛旅子
塾の子の無月を帰る声満てり/長崎小夜子
げんげ田の畦を久米の子塾通ひ/倉持嘉博
さくらんぼ城下の塾は古きより/古舘曹人
適塾を守りて障子の桟を拭く/佐伯つや子
鎌足の墓昏れやすしそろばん塾/和田悟朗
のうぜん花塾退けし子の通り道/高澤良一
衣更へ塾教師にも慣れにけり/冨田みのる
俳句例:61句目~
わが塾の軒の菖蒲は子らと葺く/酒井麗子
塾始め母音と読めば子等笑ふ/田川飛旅子
捩れつつ伸びる麦の芽塾の児よ/香西照雄
休校日に塾へ通ふ児おけら鳴く/佐倉あさ子
塾教師目刺しの匂ひはばかりぬ/冨田みのる
スイートピーをんなあるじの英語塾/石川文子
龍泉寺町のそろばん塾や酉の市/久保田万太郎
米屋兼数学塾や夏つばめ/大村孝「百鳥俳句選集」