母校に関連した俳句の例をまとめました。
母校を含む俳句例
南面に篁嶮し母校の夏/木村蕪城
辻々を踊り母校の水呑場/北川英子
春泥や爪先で訪ふ母校跡/小原良枝
草茂る忠魂碑跡母校なる/広瀬一朗
緑濃き母校はいまも女の園/楠節子
競漕や母校の色の櫂の先/藤原駿二
初景色二階厠に母校見ゆ/能村研三
郭公の丘に白亜の母校かな/岩田岩夫
麦笛や川の向うにわが母校/伊藤正子
保己一館母校と並び花吹雪/井口涼花
再会や丘の母校は日焼け顔/峠谷清広
春風といふ川風に母校かな/前野雅生
凸凹道母校へ一里土筆伸ぶ/明神好久
友老いぬ都忘れの咲く母校/佐藤正治
夏草の母校見てをりいま病めり/秩父
大陸に三つの母校鳥帰る/河西みつる
夾竹桃母校に古りし作法室/木田岸子
畦叩き塗りて母校に谺さす/太田土男
父のごと仰ぐ母校の大冬木/山下美典
寒椿しかも真白に母校なる/古舘曹人
俳句例:21句目~
少子化のすすむ母校の盆踊/高澤良一
山桜渡り廊下のある母校/古本ふみ子
竣工の母校四方より青田風/山田弘子
神として来ませ母校は風薫る/及川貞
戦場へ母校へのやうにゆく/攝津幸彦
深秋の母校の土を握りしむ/武田光弘
百年を祝ふ母校の松の芯/山口起心鬼
ひろしま忌一基の墓を母校とす/赤松子
冬空に倦み人に倦み母校の樹/斎藤史子
子が通ふ父の母校や夏つばめ/飯田弘子
寒晴や君の母校を眺めつつ/大木あまり
揚雲雀母校はいまも山を背に/藤岡筑邨
緑の週母校に残る大樹かな/岡部名保子
母校より仰ぐ初比叡間近なる/前田攝子
沖縄に秋の蝉鳴く母校あり/目川美枝子
百日紅母校はいまも少女学ぶ/津田清子
花のころ母校の月日思ひ出づ/伊藤敬子
詩碑はその母校の前の薫風に/皆吉爽雨
銀杏散る母校に聴講郷土の史/岡田三枝
雲の峰海を前なるわが母校/山口耕太郎
俳句例:41句目~
高西風や母校創立寄附通知/梅野ミドリ
車窓より母校が見えて藤の花/田上良子
母校今あらず落花の駆くるのみ/岩崎照子
廃校の母校のさくら吹雪かな/山田みづえ
レガッタの母校を囃し相識らず/今戸光子
海へ向く母校の時鐘夏つばめ/大月登志江
草田男母校滂沱たるもの夏柳/平井さち子
莨火を樹で消し母校よりはなる/寺山修司
蝉鳴いて母校に知らぬ師の多し/寺山修司
正月駅伝一団抜け出て母校来る/奈良文夫
母校とは空蝉の木が鳴くところ/守屋明俊
ひさびさや母校のここの花吹雪/茂里正治
通り過ぐ雨の母校のプールの香/鈴木鷹夫
植木市母校が見えて汽車が過ぎ/千田一路
田のわれにとどく母校の卒業歌/中川博秋
鮎の瀬に落とせる影も母校なる/山田弘子
春の泥踏みたくて訪ふ母校かな/本庄登志彦
冬の行潦踏みてみかへり母校辞す/木村蕪城
今年竹はらりと解くや子の母校/蓬田紀枝子
すずかけの花咲く母校師も老いて/河野南畦
俳句例:61句目~
渚を走り続けほそぼそと灯る母校/西川徹郎
師も友も老いて母校の余花のもと/相島たけ雄
綿虫や母校のフェンスでこぼこに/中戸川朝人
桃さくらとろりと咲きて母校かな/小島千架子
ラグビーボール大跳ね母校に勝機くる/奈良文夫