胡座に関連した俳句の例をまとめました。
胡座を含む俳句例
年男胡坐して謡一番す/大野洒竹
蚤ひろふ猿の胡座や苔の花/蓼太
三が日過ぎぬ胡坐にとろろ汁/寥松
あぐらかく者に満つ汗蟇/赤尾兜子
大いなる父の胡座や簟/ほんだゆき
胡座かき古本整理鰻の日/高澤良一
愛欲の男再び胡座かく/武馬久仁裕
湯豆腐に五人男の胡座哉/大野洒竹
大寒のあぐら深組み漆工婦/井上雪
茹栗や胡坐巧者なちひさい子/一茶
胡座かく大安楽や榾の主/玉越琅々
大胡座かいて七草爪を切る/加古宗也
学問の胡坐の膝の子猫かな/日野草城
郭公に崩れし胡座かき直す/西島輝治
星ながれ胡座のなかに赤ん坊/中田剛
男なれば胡坐かきたり花の寺/松本旭
裸体なる先生胡坐す水泳所/夏目漱石
三伏や酒なくて胡座整はず/河野南畦
孫抱いて喜雨の百姓大胡坐/橋本鶏二
塵一つ掃かずに胡坐仕丁雛/坂井愛子
俳句例:21句目~
黴の中業の筆執るあぐら組む/清水基吉
一尺の子があぐらかくゐろりかな/一茶
胡座して大きく使ふ渋団扇/小原菁々子
胡座かく我と閻魔の蟋蟀と/佐々木六戈
焼酎に胸骨枯れてあぐら組む/佐藤鬼房
老杣のあぐらにくらき蚊遣かな/原石鼎
秋寒く胡坐をかくと倒れさう/桑原三郎
打よりて時雨顔なる胡坐かな/角田竹冷
晩涼や胡坐くみたる磯がしら/野村泊月
永き日を胡座かきたる羅漢哉/正岡子規
夕涼や灯をともさゝる高胡坐/尾崎紅葉
古寺の燠おとろふる胡座かな/攝津幸彦
藪入の胡坐をかいて見たる哉/角田竹冷
蚊遣して松を愛する胡座かな/尾崎紅葉
裸子の胡坐父よりすでに不敵/花田春兆
趺坐半時胡坐半日や冬こもり/小杉余子
あぐらせる雛の足の白さかな/佐久間法師
菖蒲湯を出て来て父も子も胡座/稲田眸子
をのこ子の小さきあぐら年新た/成田千空
上元や膚てらてらと胡座羅漢/下村ひろし
俳句例:41句目~
炉主のあぐらの中に寝落ちし子/鈴木貞二
網つくろう胡座どつかと春の浜/西東三鬼
磐石にあぐら居の詩碑夏落葉/下村ひろし
端午くる胡座の底の好きな嬰よ/吉田紫乃
花しきみあぐら童子が笛吹く図/古沢太穂
寒雀われ胡坐居に倦むことなし/山口草堂
朝餉待つ胡坐に吾子とぬくみ育てつ/篠原
妻の座に胡坐かきたる余寒かな/片山依子
胡座かき蜥蜴はこうもり安のさま/高澤良一
げんげ田は父の胡坐に入るごとし/影島智子
胡座を組み楽人の面朧ろなり/長谷川かな女
胡座かきそこに居座るどっこい暑/高澤良一
踊らぬと決めてかかりし胡座かな/山田弘子
音羽屋の派手なあぐらも初芝居/岩坂満寿枝
あぐらかく少女に夏炉燃えはじむ/加藤三七子
女塗師素足の胡座組み直す/千田一路「波状」
富士講の御師の胡座やあをふくべ/若山すみ江
四萬六千日あぐらずわりに六区の猫/上井正司
胡座かくわれと閻魔のこほろぎと/佐々木六戈
煮立ちきて河豚鍋あぐら組みなほし/大江行雄
俳句例:61句目~
湯豆腐をすくひてすでにあぐらかな/仙田洋子
あぐらゐのかぼちやと我も一箇かな/三橋敏雄
簀戸のあけくれのあぐらの低さあはれむ/喜谷六花
涼しさにミダ同躰のあぐら哉/一茶/文政元年戊寅