欄干（おばしま）に関連した俳句の例をまとめました。
欄干（おばしま）を含む俳句例
欄干に夜ちる花の立すがた/羽紅
寒梅や欄干低く筑波山/正岡子規
欄や髪の扇に年行く日/上島鬼貫
雪晴や欄干ひくき旭橋/長谷川櫂
白藤や小瀧の橋の朱欄干/泉鏡花
欄干の腐つてゐたり螢狩/辻桃子
祭半纏欄干に干す佃島/中島真理
友染の夜具欄干に椿かな/泉鏡花
欄干にのぼるや菊の影法師/許六
舞殿の欄干を垂れ菊競ふ/荒井正隆
我宿の欄干に月上りけり/正岡子規
木犀や欄干高く人もなし/正岡子規
木犀や雨の欄干人もなし/正岡子規
鶺鴒の欄干はしる五條哉/正岡子規
欄干と平らに春の山低し/正岡子規
欄干にあがる怒濤や青簾/鈴木花蓑
欄干に紅茸生ふや古御殿/寺田寅彦
欄干に楊貴妃眠る牡丹哉/正岡子規
欄干に結べる露に驚けり/高澤良一
欄干や団扇の下の淡路島/正岡子規
俳句例:21句目～
欄干や東に見ゆる春の山/正岡子規
欄干を平らに春の山低し/正岡子規
欄干を炎駆けたるお水取/大森敏光
夕涼月欄干にのぼりけり/正岡子規
欄干を越えて穂絮の水の上/桂信子
鶺鴒や欄干はしる瀬田の橋/正岡子規
欄干をのぼる伏家の蚊遣哉/正岡子規
欄干をつかみ流灯見届けり/前田清女
おばしまの女匂へり歌麿忌/友山梅子
欄干に幾人か減る虹の裾/林田紀音夫
欄干の通り雨なり夜の秋/大峯あきら
春愁や臨水亭のおばしまに/田中冬二
欄干にルビ打つてをり冬鴎/嶋田麻紀
欄干の竜も伊万里や風光る/高橋幸子
三月の雪欄干を濡らしけり/川崎展宏
千人が手を欄干や橋すゞみ/榎本其角
夜桜や十二欄干灯幽かなり/正岡子規
棕櫚の辺の冬日の欄干港町/木村蕪城
欄干を越えてきさうな春の月/寿芳江
欄干に皆もたれゐる花疲れ/高木晴子
俳句例:41句目～
水樓や欄干によれば遠花火/寺田寅彦
欄干によりて無月の隅田川/高濱虚子
欄干に夜散る花の立すがた/野澤羽紅女
欄干に折れかゝり居り花の酔/野村泊月
欄干に若葉のせまる二階かな/尾崎放哉
徐々とゆく船の欄干雪を載す/横山白虹
欄干に網の干されて佐屋の秋/伊藤敬子
欄干に胸あづけゐる日傘かな/西村和子
欄干に残る修二会の火の匂ひ/渡辺政子
欄干に凭れて永き日なるかな/野村泊月
欄干に寄れば色なき風のこゑ/深沢暁子
欄干の朱のあざらしき神迎へ/谷口ゆり女
おばしまは汐満ち鹿も眠るらし/清水基吉
欄干の下に荒れをり冬の海/阿部みどり女
欄干とたけのかは脱ぐ百戸かな/古舘曹人
欄干の朱にも触れたる落葉かな/今泉貞鳳
おばしまの遠眼鏡よりヨツトの帆/山崎行雄
おばしまに手話閑かなり大文字/芝山喜久子
欄干にいたく身反らせ涼みをり/波多野爽波
おばしまに下駄干してある初嵐/藤田あけ烏
俳句例:61句目～
おばしまや紅葉に早きかへでの秀/石塚友二
十六夜のおばしま濡れてありしこと/木村蕪城
おばしまにわだつみの乗り月の乗り/桜木残花
露けしとおばしまに手をかけにけり/楠目橙黄子
おばしまにかはほりの闇来て触るゝ/竹下しづの女
橋上の霜おばしまの影に沿ひ/『定本石橋秀野句文集』
