美術館に関連した俳句の例をまとめました。
美術館を含む俳句例
美術館柳男時の風見鶏/高澤良一
山中の池の薄氷美術館/横田昌子
南風や勾玉蔵す美術館/坂間晴子
万緑の中の一点美術館/橋本榮治
美術館大石垣の蔦紅葉/三宅豎子
香水の人と徳川美術館/折井紀衣
凶作田囲む町立美術館/森本五郎
境内に美術館あり初詣/高田風人子
夏木立右美術館左ZOO/白井恭郎
美術館出て足長の冬日影/望月史子
縞馬に横領された美術館/寺井禾青
小鳥来る酒蔵跡の美術館/高橋秀夫
寂として緑の中の美術館/鈴木律子
美術館開門前をリラ匂ふ/関森勝夫
膝かけの女が隅に美術館/三浦美穂
花曇ゆるらか巡回美術館/二村典子
蝶高く舞ふ碌山の美術館/陣場孝子
蝿一匹玻璃窓広き美術館/丸谷光江
美術館昃り冬嶺座をすすむ/宮武寒々
エリカ咲く岬に白き美術館/桑野秀子
俳句例:21句目~
冬うらら美術館より首傾げ/角南昧波
料峭や木立の奥の美術館/吉岡満寿美
春寒のひそむ廊下も美術館/稲畑汀子
秋雲や山手に猫の美術館/中戸川朝人
木守柿町中に根津美術館/大井戸千代
美術館の空間雪の日の空間/齊藤美規
外套の大股美術館めざす/赤松けい子
美術館へ続く黄葉のアプローチ/みえ
黄落のプラタナス道美術館/岩崎照子
美術館閉鎖して美の冷蔵庫/三好潤子
色鳥や八千穂の土牛美術館/安永圭子
雪明りまぶしき米子美術館/木内彰志
静脈の樹が茂り合う美術館/吉田健治
飛び下手の雀巣造る美術館/右城暮石
短日や美術館出る人ばかり/中尾吸江
美術館冬両手拡げて能衣裳/山田みづえ
美術館崩御の半旗垂れて冬/大岳水一路
どの壁も目となる冬の美術館/岸原清行
秋天へぬけ出る坂の美術館/岩淵喜代子
卯の花の深雪咲きして美術館/本宮鼎三
俳句例:41句目~
囀りや窓見あたらぬ美術館/金子健太郎
団々のつつじ植え込み美術館/高澤良一
夏霧や森のガラスの美術館/永井登久枝
奈良の秋直哉「空想美術館」/丘本風彦
小鳥来る森にガラスの美術館/阪井節子
春陰の椅子ゆくりなく美術館/後藤夜半
無職日日枯園に美術館ありき/下村槐太
美術館裏の庭冷え鴉かな/すずきりつこ
秋日傘そこはサントリー美術館/岸田稚
美術館より黄落の始まれる/熊口三兄子
鬱の日の椅子数多ある美術館/田中亜美
赤とんぼ出入りす碌山美術館/飛高隆夫
夏鴨も二羽ゐてペイネ美術館/鳥越やすこ
美術館出て鍋焼をかこみけり/大久保白村
光り合ふ枯野と玻璃の美術館/竹田登代子
初時雨せし美術館出づる時/市ノ瀬さよ子
陽の消印あり冬ざれの美術館/吉田透思朗
おおいなる乳房のかたち美術館/対馬康子
首八個ぞくりと美術館あたたか/柿本多映
桃畑のなかのちひさな美術館/伊藤いと子
俳句例:61句目~
山の日に燃ゆるサルビア美術館/大津信子
爽やかな笑みが美術館の前に待つ/京極杜藻
美術館に蝶をことりと置いてくる/柿本多映
美術館眼に見えざれど木々芽吹く/橋本美代子
眼標本づくり美術館を見透かす階/八木三日女
美術館で鼻が欠けているソクラテスで/日向野千一路