寒の雷に関連した俳句の例をまとめました。
寒の雷を含む俳句例
寒雷や屍の上の一剣/古舘曹人
一片の鮭無き巷寒雷す/渡邊水巴
寒雷の未明一喝裏日本/鈴木栄子
北国の寒雷迎ふ微塵中/細谷源二
北國の寒雷迎う微塵中/細谷源二
寒雷の後響審判続きをり/香西照雄
棺に添へ樫の錫杖寒雷す/古舘曹人
寒雷や紅蓮の氷わるる夜に/中勘助
人形の足地に触れず寒の雷/澁谷道
伐折羅大将寒雷走る眉間かな/林翔
大仙は雲の中なり寒雷忌/吉田冬葉
寒雷や石よりも乾く馬の膚/瀧春一
椿壺にひらき寒雷浄らなる/渡邊水巴
寒雷や一匹の魚天を博ち/富澤赤黄男
寒雷やセメント袋石と化し/西東三鬼
縁昃りおどけ寒雷おどけ去る/及川貞
寒雷は闇夜に敵は吾にあり/五島高資
寒雷や一匹の魚天を博ち/富澤赤黄男
寒の雷花屋の中をまだ去らず/原田喬
寒雷に起こる全てが枯木灘/花尻万博
俳句例:21句目~
寒雷に響けるがにも白き飯/川口重美
寒雷のやみし頭上に梁太し/西村公鳳
寒雷の夜半の火柱畏れ病む/森川暁水
寒雷の天より羽毛落ち来る/丘本風彦
寒雷や助骨のごと障子ある/臼田亜浪
寒雷や喪服のままの四十妻/古館曹人
寒雷や肋骨のごと障子ある/臼田亞浪
寒雷や膝のあたりに染小皿/古舘曹人
寒雷や鶏舎の千羽総立ちに/朝倉和江
寒雷を喝して心空ろなる/相生垣瓜人
寒雷の後の日の出に海荒し/水原秋桜子
寒雷やひじきをまぜる鍋の中/横山房子
寒雷の空より羽毛落ち来たる/丘本風彦
寒雷の色を知りたい人形師/加藤ミチル
寒雷や針を咥へてふり返り/野見山朱鳥
寒雷に日のさしかげる船障子/石原舟月
寒雷や悪夢見てゐる人を見る/仙田洋子
寒雷後夜雨しづかに強く語る/香西照雄
寒雷の鳴り終りたる虚空かな/小林康治
寒雷すぎ乳母車の後匂いだす/赤尾兜子
俳句例:41句目~
氷魚えりに立つ寒雷の水柱/駒井でる太
寒雷の響く都心に餅焦がす/田川飛旅子
寒雷の乾びきつたる音すなり/相生垣瓜人
寒雷の鳴つて晴れたる忌日かな/吉田冬葉
寒雷やその夜にはとり一羽減り/本宮哲郎
寒雷やますらを立ちに野の一樹/西村博子
寒雷や雀群れ解きまた群るる/五領田幸子
寒雷ややがて祈祷にたちもどる/横山康夫
ついに鳴り轟きにけり寒の雷/川島彷徨子
みごもれる女教師花鋪に寒雷す/宮武寒々
寒雷に濡れて未婚の香の木々よ/櫂未知子
寒雷のやうな師の忌を修しけり/吉田冬葉
酒舟の緊め木利きをり寒の雷/梅原黄鶴子
寒雷の能登ゆさぶりて渡るかな/新田祐久
寒雷を一つころがし海暁くる/阿部みどり女
二ュートンを講じいるとき寒雷し/和田悟朗
寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃/加藤秋邨
寒の雷おのれを庇ふひしと庇ふ/山田みづえ
寒雷をひとつころがし海曉くる/阿部みどり女
もの書くもはかなごとにて寒の雷/鍵和田釉子
俳句例:61句目~
寒の雷ひとつ手毬のごとくなり/森下かじ之秋
寒雷や湯女の一と連れ声あぐる/吉武月二郎句集
大年の山の日ぐれとなりにけり寒雷一つ澄みて霽れたり/穂積忠
わたくしを許さぬひとりあることの清しも寒雷はげしきゆふべ/伊藤一彦