装束に関連した俳句の例をまとめました。
装束を含む俳句例
貝殻は死装束や寒蜆/丸山分水
一竿は死装束や土用干し/許六
初春や赤装束の牛童/子規句集
白装束霜に声あり寒念仏/露章
山桜死装束を拡げたる/徳弘純
神主の赤装束や鞴祭/橋本對楠
梟に白装束の夜の富士/有働亨
一団の白装束や土筆原/脇坂啓子
丈草忌修す御岳白装束/加藤耕子
装束は黒にきはむる鷹野哉/浪化
厳寒の網走へ発つ死装束/斎藤玄
大蔵省造幣局長雪装束/田中裕明
装束に雪の力を黒川能/岡田史乃
薪能五重の塔の黒装束/津田清子
遺品みな夜討装束義士祭/木田素子
シテとツレ白装束に月涼し/本橋節
装束を雲より白く秋遍路/鷹羽狩行
似もつかぬ白装束の更衣/飯田蛇笏
黄落や鼓洩らして装束司/桂樟蹊子
氷湖に雪死装束の白さもて/轡田進
俳句例:21句目～
寒行の白装束や闇を行く/高濱年尾
紺ふかき装束翁や初蹴鞠/桂樟蹊子
建国日黒装束の鴉かな/青柳志解樹
擦れ違ふ白装束の草虱/羽深美佐子
時頼公強装束のお風入れ/高澤良一
松例祭火事装束の大目付/三原清暁
英霊よ白装束の初鳩よ/築城百々平
還れざる白鳥の白死装束/三好潤子
鮎占い白装束の山人ら/奥山甲子男
山焼の匂ふ装束脱ぐ三和土/森本大樹
息はずむゴム装束の鰤漁師/品川鈴子
死装束ほどのひらひら更衣/鳥井善尚
白装束神に仕へて冬田打つ/薗田郁子
装束の下にTシャツ秋遍路/斎藤宣子
短夜の川風に干す鵜装束/石鍋みさ代
秋風や装束き習ふ大葬使/松根東洋城
童らの手古舞装束秋うらら/高澤良一
花王たり白装束の白牡丹/阿波野青畝
装束に着替へて女鵜匠たり/乾/歌子
装束は闇のいろなり鵜の匠/高橋克郎
俳句例:41句目～
装束をつけて端居や風光る/高濱虚子
夜の新樹より装束の能役者/千原叡子
雁装束掛けて番小屋片時雨/伊丹公子
風邪はやる黒装束の男ゐて/藤岡筑邨
寒ふかき能装束の萌葱かな/毛利節子
鵜供養の鵜飼装束そぞろ寒/岩島妙子
送水文読む白装束は川の中/中西舗土
螢来ず白装束の蛾と逢ヘり/殿村莵絲子
孫と瞻てナマコ忍者の黒装束/高澤良一
冬帝は白装束で来ると決め/櫛原希伊子
笛の尾の白装束の行方かな/八木三日女
八朔の禰宜の装束吹かれけり/平井/梢
流氷やわれから知つて死装束/石川桂郎
すだちもぐ装束となり現れし/宇山久志
身に入むや白装束の笛吹くは/田中裕明
白雨のをとこ待ちゐし壺装束/筑紫磐井
あたらしき禰宜の装束山笑ふ/佐川広治
田楽の緋の装束へばつた飛ぶ/井村和子
雪吊を火事装束の駆けぬけて/田中裕明
手をかがむ白装束や秋のかや/飯田蛇笏
俳句例:61句目～
螢の死装束といふはもたず/鈴木真砂女
竹の子の黒装束は折られたり/阿波野青畝
装束の廉も倒さぬ神の留守/大サカ-松嵐
マスクして白装束を決めてゐし/常見知生
蛙装束脱ぎ捨てしより汗どどと/横山節子
胡瓜曲がる死に装束が縫いあがり/長谷川草々
死装束にて生れうすばかげろふは/小川双々子
