コー卜に関連した俳句の例をまとめました。
コー卜を含む俳句例
道服と吾妻コートの梅見哉/夏目漱石
革釦絢爛たりし日のコート/岩井秀子
藤村の写真を前にコート脱ぐ/伊藤敬子
羽衣か宮址に脱ぎし革コート/品川鈴子
冷えきったコートよ中に弟が/池田澄子
波音を離れコートの襟を立て/高澤良一
コートみなきちんと畳み聖書会/森田峠
コート着し人のそがひや雪の道/原石鼎
早梅の影をコートにお互ひに/川崎展宏
壁に吊るコートも疲れたる姿/三村純也
コート買ふ十一月の旅のため/西村和子
十字軍より元気にて黒コート/櫂未知子
話題選るコートの中の胸の中/槫沼清子
観音にまみゆと革のコート脱ぐ/品川鈴子
だぶだぶの黒いコートの手に椿/長谷川櫂
わがコート赤し枯野に点なすや/山田弘子
約束の赤きコートの駈けて来る/阿部王一
コートやゝ長しと思ひつゝ旅に/曾我鈴子
巫女の髪解かずに下向革コート/河野頼人
振のなきコート鎧へり近松忌/殿村莵絲子
俳句例:21句目~
コート脱ぎつつ白鳥を想ひをり/折井紀衣
嵐ケ丘へ靡くコートを身に纏う/斎藤冬海
コート脱ぎ現れいづる晴著かな/高浜虚子
コート脱ぐ間も言葉を交しをり/風間啓二
座席帯毛皮コートにくひ込めり/品川鈴子
コート脱ぎ法身窟へ身を入るる/小川かん紅
俯向いてコートの襟の中に咳く/西海枝梟子
出かけんとせるコート脱ぎ客迎へ/丸山茨月
初日拝す夫のコートを着重ねて/伊藤いと子
吾妻コート藁屋の霜はあはれまし/尾崎紅葉
抱くやうに毛皮コートを脱がせやる/辻桃子
流木に赤きコートの掛けてゐる/中野貴美子
藍の香の匂ふコートの仕付け取る/中/憲子
コート着て財布の位置が変りけり/能村研三
豹紋の忘れコートがカフエテラス/増田治子
負け嫌ひにて火の色のコート着る/辻美奈子
コート着て母のさからふ風も見し/中村汀女
コート着ればすぐ秋雨の中ゆく母/野澤節子
鴨を見るコートの下に喪服着て/深見けん二
黙つてゐる羊のコート温ければ/橋本美代子
俳句例:41句目~
火の言葉つつみおほせしコート着る/島田夏子
男の愚痴聞くにコートは脱がざりし/内田美紗
皮コート天守の闇を曳き出づる/鍵和田ゆう子
グッピーに遭ひておもたき黒コート/吉田紫乃
アイロンをあてて着なせり古コート/杉田久女
そのまゝといはれ会釈しコートぬぐ/星野立子
さよならの手をしまひたる黒コート/内田美紗
別れても子の眸はりつくコートの背/青木喜久
コートのひと其処此処跼み犬ふぐり/川崎展宏
遅れ着しことを詫びつゝコート脱ぐ/平野竹圃
コートの袴たてるは洋画観てのこと/石川文子
刑事飛び出しぬコートを手掴みに/松岡ひでたか
処女らコートの白に統べられ霧の航/上野さち子
逢ひたさが先立つコートまとひけり/早川志津子
顔見世のしなやかにコート脱ぎにけり/伊藤京子
ミンクのコート着てマヌカンの小指反る/川村紫陽
コート着てジェット気流にもぐり込む/郡山やゑ子
気づかひや借りしコートに夕立ばね/阿部みどり女
捨ても着もせぬ緋のコートまた出しぬ/佐々木いく子