木馬に関連した俳句の例をまとめました。
木馬を含む俳句例
凩や木馬の轡ひとり鳴る/中川四明
回る木馬一頭赤し春の昼/西東三鬼
木馬道朽ちて猩々袴咲く/安江緑翠
虎杖の花の盛りの木馬道/松藤夏山
茱萸の花木馬の響き風の中/原天明
木馬の瞳哀しい千代紙の昔/小山淑
停りても木馬は奔馬秋の風/杉本零
小心な漢に木馬回り出す/山本敏倖
闇深く芽吹き両性具有の木/馬場駿吉
年暮るる廻る木馬に一家族/福田蓼汀
青柳の鞭を折らする木馬哉/尾崎紅葉
春驟雨木馬小暗く廻り出す/石田波郷
枯山に一筋生きて木馬道/石田あき子
春塵や木馬の金の目の卑し/中村和弘
赤かぜの妻の木馬と子の木馬/安住敦
夏草や無用となりし木馬道/森定南楽
花冷の木馬鉄鎖を地に垂らし/長田等
時折は落葉が当る木馬の背/高澤良一
子の靴も木馬も眠る冬銀河/保坂敏子
わが春も春の木馬も傷みたり/中村苑子
俳句例:21句目~
謝肉祭酔歌をうたふ木馬の背/石原八束
木馬館木馬汚れて芽立ちけり/永井龍男
月の木馬祷のなりに子は睡る/巌谷小波
どの幹も濡れて墓参の木馬径/友岡子郷
枯園の木馬は青き目をもてる/岩崎照子
木馬廻る花影は喪の夜に入る/石原八束
行く春へ浮いて沈んで空木馬/旦大恵子
子の木馬良夜の庭に濡れてをり/大塚麓
峰雲へ木馬は百円だけ跳ねる/西尾照子
風船を首にゆはへし木馬かな/久米正雄
炎天に耳鳴りのごと乗る木馬/対馬康子
旋律や夜の木馬の吹かれ立つ/中村苑子
春浅き園の木馬は騎手持たず/山田弘子
春風やなびくたてがみ欲る木馬/景山薫
花八ツ手入替なしの木馬館/松崎鉄之介
木馬ほか天地の廻る四月馬鹿/石原八束
雁仰ぐ木馬の鞍にまたがつて/吉原文音
新涼や木馬に碧きガラスの瞳/吉田ひろし
暖かや剥げても木馬子を寄する/熊谷詩城
未婚の夏過ぎぬ木馬の緋の手綱/友岡子郷
俳句例:41句目~
戻りくる木馬に逢ひぬ紅葉狩/五十嵐播水
滝道やこのあたりまで木馬道/五十嵐播水
移民発つ冬の木馬をおきざりに/有馬朗人
木馬の脚だけ大正のいろ星上園/伊丹公子
芽ぶくもと木馬と喇叭月に冷ゆ/原田種茅
木をめぐり木馬をめぐり天の川/加藤郁乎
すでに少女さみしい木馬を廻す/宮坂秀子
朝顔や木馬の輪なとつくろはむ/北原白秋
つくねんと木馬よ春の星ともり/木下夕爾
公園の馭者なき木馬月おぼろ/谷井野武士
雨のまま未完となりし木馬かな/猪原丸申
木馬みちわたりて比古の紅葉狩/高濱年尾
逢引きや雪の木馬のうつむきて/宮坂静生
さびれたる木馬館守る甚平着て/内山せつ子
立春のひかりのなかの木馬たち/荻原都美子
跳ねしまま廻らぬ木馬炎暑かな/久保三千代
木馬の背ぬくし秋日は父に似し/文挟夫佐恵
木犀に木馬叩けばうごきけり/長谷川かな女
木馬から降りて散らばる遅日かな/五島高資
涙腺をもたぬ木馬に冬日が射す/磯貝碧蹄館
俳句例:61句目~
あっけらかんと木馬より枯野はじまる/築網耕平
天翔ける木馬に白いブーツの子/松岡里江/『桜坂』