稲扱に関連した俳句の例をまとめました。
稲扱を含む俳句例
稲扱機耳成山へ埃吐き/西村和子
稲扱やうち返し~うら表/村上鬼城
渋柿に稲扱器械響くなり/石井露月
凶作の稲扱きの音入日枯れ/西東三鬼
千枚田その一枚に稲を扱く/河本晴樹
稲扱きの音の速さで縄を飛ぶ/森澄雄
病母睡て稲扱埃はるかなり/石田波郷
脱穀機己が弾きし殻を浴ぶ/河野南畦
脱穀機裸燈が照らす影多し/右城暮石
脱穀機音大きこと非力ゆゑ/宮津昭彦
稲扱機音し暮天にはばからず/山口誓子
稲扱機からから踏みて夕焼ぬ/佐坂鳴渦
ふくよかな乳に稲扱く力かな/川端茅舎
稲扱くや水の佐原の夕こだま/橋本榮治
稲扱くや水牛水にねむるなり/加藤楸邨
稲扱を待つばかりなる稲積まれ/森田峠
新しき稲扱器野の日聚め鳴る/内藤吐天
稲扱くや無花果太き幹のかげ/飯田蛇笏
晩稲扱く心胆あつき老ならん/成田千空
来るわ~扱くあとへ稲を引扛ぎ/泉鏡花
俳句例:21句目~
種を扱く明治の頃の稲扱機/山本嘉代子
稲扱器高鳴る音は空にあり/五十嵐播水
稲扱機高鳴る方へ犬跳びゆく/西東三鬼
稲扱機高鳴る音は空にあり/五十嵐播水
貰ひ手もなき脱穀機年果つる/皆川白陀
踏むたびに喘ぐ暮光の稲扱機/近藤一鴻
連山を踏みにふむなり稲扱機/山口誓子
流寓のわが家も煽る脱穀機/百合山羽公
脱穀機を裸灯が照らす影多し/右城暮石
稲扱きの野の蜂起かな白煙立ち/児玉悦子
稲扱にかぶせしおほひ紺がすり/星野立子
稲扱のさなかに鷭を撃ち落す/米沢吾亦紅
稲扱の昨日の音につゞきけり/米沢吾亦紅
稲扱の音肺腑まで好き日なり/百合山羽公
稲扱機踏むや西透き中空透き/榎本冬一郎
まれといふ稲扱日和稲架下ろし/沢村芳翠
オリオン座あげて稲扱ぐ一家族/三島隆英
初霜や稲扱きの歯に降りにけり/吉田冬葉
句碑開眼稲扱ぐ音にはげまされ/岸風三樓
夜稲扱くランプかすめて一葉哉/西山泊雲
俳句例:41句目~
道すがら見し稲扱の手を真似て/山口誓子
風の日の稲扱く音の小止みなし/山口草堂
稲架の籾噛んで稲扱き始めけり/新見礼子
日月長う稲扱きかけて人の居ぬ/尾崎紅葉
稲扱きのモーター競ふ月時雨/柴田白葉女
稲扱きの古き機械を野にさらす/山口誓子
稲扱くや夕暮明りあるかぎり/池内たけし
脱穀機買ひて夜業をはげみをり/辺田東苑
稲扱くや越の夕焼ひろごりぬ/渡辺笑鬼郎
麺麭のみに稲扱く音の波なし来/石川桂郎
稲扱のわめきが言葉なすらしや/米沢吾亦紅
風向きを見て稲扱機据ゑにけり/古野四方白
あかつきの空へ稲扱く音おこり/長谷川素逝
稲扱いて稲架の日なたの囲む中/長谷川素逝
稲扱く母にゑまひなげゆく一生徒/飯田蛇笏
踏みゆるめばすぐに低音稲扱機/橋本多佳子
くらがりに稲扱き終へし人らをり/堤俳一佳
からからと鳴りをる小夜の稲扱機/高濱虚子
稲扱器あとまひもして舞ひはずむ/阿波野青畝
稲を扱く四方のひゞきになれてねる/軽部烏帽子