千手観音)に関連した俳句の例をまとめました。
千手観音)を含む俳句例
十一面千手観音朧へ手/松山足羽
観音の千手全し花擬宝珠/安田政子
観音の千手は剣冷まじや/高澤良一
大障子明りの千手観世音/有馬朗人
観音の千手の一手蝶招く/清水基吉
初観音痩身にして千手仏/柳田隅子
千手見せ給はぬ恨み御開帳/森田峠
白毫に山蛭宥し千手仏/つじ加代子
千手仏千手に受ける稲光/森村与志
吊革に千手きらめき原爆忌/赤松子
囀りや一樹に溢れ千手仏/千松無門
千手佛春塵拭ふ指持たず/宮脇白夜
千手観音遠近に揚雲雀かな/川崎展宏
団扇撒衆生のかざす千手なり/原柯城
夜も青空辛夷千手の拳開く/原子公平
胡麻叩く千手千眼観世音/井上みつこ
暖かやひと手遊ばす千手仏/岸間光女
梨の花千手仏より授かりし/伊藤敬子
千手仏花下に見たまふ仏舞/堀田耕邨
歳月の千手なりけり秋の風/永田耕衣
俳句例:21句目~
観音の千手おそろし花の昼/百瀬美津
観音の千手にふれて蝶生る/白澤良子
観音の千手に寒のゆき戻り/小野菖菊
千手観音一手を許す冬の蝿/田山諷子
陽炎や千のうれひの千手仏/大塚邑紅
雪解や千手ゆるめし観世音/鈴木貞雄
飴湯のむ背に負ふ千手観世音/川端茅舎
千手観音普通の河で身を洗ふ/攝津幸彦
みほとけの千手犇く五月闇/能村登四郎
円空の千手かんのんさん秋寒/高澤良一
落し文観音のどの千手より/大岳水一路
小粒なる葡萄摘むに千手欲し/高澤良一
立像の千手もて撒くたびら雪/品川鈴子
油塔の天千手観音指もやす/八木三日女
栗をむく千手に代る二手有りて/楠節子
琵琶抱て千手泣く夜や春の雨/正岡子規
田を植ゑしあとの若狭の千手仏/長田等
裸木のいづれも千手観世音/遠藤若狭男
観音の千手からめて蜘蛛の糸/高木悠悠
日脚伸ぶ遊ぶ千手の掌と思ふ/水島冬雲
俳句例:41句目~
大西日いつぽん足らぬ千手仏/角川春樹
千手観音欲しき指あり観心寺/川本洋栄
千手観音千の持物しぐれけり/河村すけ於
合す掌のほか冷まじき千手かな/鷹羽狩行
のぼとけの千手略され草の花/上田五千石
千手仏手をみなひろげ春を待つ/小林鹿郎
千手自在二手は合掌あたたかし/泉/紫像
千手くらく重く負ふ佛椿照る/中戸川朝人
夢になほ馬陸の千手われに向く/大野美幸
千手観音どの御手ならん揚雲雀/川崎展宏
青榧の実に拝む千手観世音/長谷川かな女
永き日や手持無沙汰の千手仏/宇都木水晶花
御開帳千手の指にそつと触れ/溝呂木みさを
夕ざくら千手さしのべ枝垂れけり/荒井正隆
青褐雨の千手かがやく厨子びらき/三嶋隆英
うちはまき頭上へ百手千手挙ぐ/竹中碧水史
千手観音/手がさわさわと秋掴む/室生幸太郎
古仏より噴き出す千手遠くでテ口/伊丹三樹彦
千手万指のよろこび如何に梅蓄む/中村草田男
千手観音秋日の一と手病む子に欲し/成瀬櫻桃子