鄙に関連した俳句の例をまとめました。
鄙を含む俳句例
秋風や鄙は家々の米俵/尾崎迷堂
鄙宿や水落す音襖にぞ/尾崎迷堂
鄙人の舅に倶してさくら哉/舞閣
雪をよぶ雁や年立つ鄙の空/青々
鄙振りに紫に染め負真綿/田村鬼童
蘭の花我に鄙吝の心あり/正岡子規
帰りなむ鄙野雉鳴く妻恋に/稲岡長
ほとゝぎす南さがりに鄙曇り/暁台
鄙の宿燈心草も花咲きぬ/石井露月
花菖蒲に銭取る鄙の庭搆/正岡子規
鄙の家に赤き花さく暑哉/正岡子規
兄妹の今宵鄙めく茶立虫/石田波郷
浪華より風車売鄙に出る/松瀬青々
画一化紅梅のみが鄙乙女/香西照雄
鄙なれど風は雅に貴船菊/三木彬郎
鄙に残る祭文節や義経忌/名和三幹竹
あまざかる鄙を川下天の河/黒柳召波
鄙の家に翡翠来るや花菖蒲/正岡子規
鄙の宿夕貌汁を食はされし/正岡子規
鄙ノ宿夕顏汁ヲ食ハサレシ/正岡子規
俳句例:21句目~
ゆく春や鄙の空なるいかのぼり/白雄
鄙ノ様家南向イテユリノ花/正岡子規
鄙住みは苗長者来し友に頒く/及川貞
串柿勝栗祝ふもの皆鄙の物/栗生純夫
取合ヒや梅に鄙しき福壽草/正岡子規
天さかる鄙や野原の大花火/尾崎紅葉
天さかる鄙をとめ野菊奉れ/石井露月
天ざかる鄙に住みけり星祭/相馬遷子
島人の雨の鄙歌かすべ干す/深谷雄大
柿若葉いっぽん激し鄙の寺/高澤良一
草市や軽羅をまとふ鄙乙女/相馬遷子
鄙ながら陶の目利きに草の餅/飴山實
鄙なれば蓬草餅まゐらする/正岡子規
鄙に住む牧師か家や葡萄棚/正岡子規
ざわとして槻落葉舞ふ鄙の里/中西宏安
一万本コスモス揺るる鄙の駅/立花恵子
串柿を祝ふは鄙のすさびにて/栗生純夫
草茂る鄙野に生きるもの親し/稲畑汀子
草餅の色の濃ゆきは鄙めきて/高濱年尾
菜の花や転勤のたび鄙ざかる/前田攝子
俳句例:41句目~
椿の葉まろめて鄙の煙草かな/沢木欣一
鄙はものゝ蓬の餅も四角なる/正岡子規
鄙人のかしこ過ぎたる十夜哉/正岡子規
茶立虫らしき音のする鄙の宿/津田大輔
山茱萸の黄にむらありて鄙曇/高澤良一
夜店出テ鄙町夏ヲニギハヒヌ/正岡子規
麦の風鄙の車に乗りにけり/河東碧梧桐
かたくりの花のまだ咲く鄙曇り/高澤良一
さま~に鄙めつらしき木の実哉/尾崎紅葉
睫毛伏せ鄙のをとめの雪に佇つ/京極杞陽
鄙のつと野菊にそへて參らせん/正岡子規
蝶群れて鄙野の景のありにけり/稲畑汀子
枇杷咲いて草屋はいまも鄙の塔/古舘曹人
鄙の湯へ母が荷を負ふ今年米/平山くにを
あまさかる鄙のをとめも針供養/高橋淡路女
芋煮会鄙ことばにてもてなされ/市川/玲子
赤のままより鄙の野のありそめし/稲畑汀子
鄙ことば互みにこぼし貝割菜/鍵和田ゆう子
小粒柿陽にきらきらと鄙言葉/鍵和田ゆう子
月へはねて鄙うたの尻「ああなんだね」/古沢太穂