右手に関連した俳句の例をまとめました。
右手を含む俳句例
初鏡右手衰えし左利き/山中蛍火
飛や右手にすぎゆく珊瑚礁/篠原
東京は暗し右手に寒卵/藤田湘子
初夢の右手右足良く動く/窪田桃花
左手に熊手右手に切山椒/高澤良一
蓑虫の屍捨て所なき右手/対馬康子
生命線右手が細し春の虹/籏本春美
右手は勇左手は仁や懐手/高浜虚子
春怒涛竜馬は右手隠しをり/瀬古陽苑
青田波右手を高く追肥撒く/本宮哲郎
闇汁の闇の中より右手左手/有冨光英
鈴ヶ森そのとき右手に風車/鈴木哲哉
右利きの右手の愛し寒の水/水谷洋子
右手つめたし凍蝶左手へ移す/澁谷道
筒鳥や右手と聞けば左より/高橋悦男
春暁の左手の知る右手かな/長谷川櫂
春潮の右手をさへぎる巌かな/上村占
雨音の右手の雲に夏の月/長谷川かな女
右手から弓手へ春の夕ベかな/五島高資
右手に商船大学鰡の躍りたる/宮坂静生
俳句例:21句目～
右手は日に左手は陰に毛糸編む/森田峠
右手衰へ曇りガラスの中の冬/柿本多映
右手遊ぶことの多くて日短か/石塚友二
四月馬鹿完全主義の右手かな/内田美紗
手拭を右手に持ちて残暑かな/今泉貞鳳
左手と右手むつまじ林檎むく/國弘賢治
左手に右手が突如かぶりつく/阿部青鞋
年木伐る右手に鉈を離さずに/高浜虚子
百済観音右手の撓ひに氷置け/加藤秋邨
捨墓に栖み古る悪い右手かな/中村苑子
茸掴んだまま右手死ぬ山の中/西川徹郎
右手を吊り街へ煙草の東風の杣/宮武寒々
枯木ゆく左手を妻に右手を子に/山本歩禅
水草生ふ淋しきときの右手左手/大石悦子
灌仏の右手より乾きたまひけり/松藤夏山
点滴に右手とられぬつちぐもり/大石悦子
甘き冬空右手に母が箸持たす/磯貝碧蹄館
右手につく夜寒の比叡や賀茂堤/西山泊雲
秋深し右手なき左手置く膝に/文挟夫佐恵
左手は右手の雲丹を知らざりき/櫂未知子
俳句例:41句目～
子は母に右手をあづけて夕落葉/中村汀女
テレパシー感じる右手蚯蚓鳴く/斉藤浩美
雑踏をゆく牡蠣提げし右手冷え/佐野美智
左手には破魔矢右手には松葉杖/品川鈴子
スケートの右手をちぢめて右廻り/上村占
夏の雨かすかに触れてゐる右手/夏井いつき
湯鉄沸くやさしきものら右手あげ/井沢唯夫
右手の湖左手となれば時雨れをり/林原耒井
笠美人右手右足左手左足や紅鼻緒/橋本夢道
右手なくしし人も闇屋や夕の虹/田川飛旅子
右手で描くその手桑名の左手よ/酒巻英一郎
そろばんを入れる右手がしもやけに/田坂公良
目をつむり右手ひたひに籐寝椅子/深見けん二
草餅食らふ妻を擲ちたる右手にて/磯貝碧蹄館
絨緞やアラビアンコーヒー右手に受く/村岸明子
梅に翳すは左手なり垂れし右手は無し/竹下しづの女
トロ馬車の御者の右手の蝿叩き/富永阿沙「未来図合同句集」
