見返すに関連した俳句の例をまとめました。
見返すを含む俳句例
行過て女見返す汐干かな/露桂
見返れば寒し日暮れの山桜/来山
笑ふ山見返る雁の行衛かな/子曳
春の夜や女見返る柳橋/正岡子規
閂をかけて見返る虫の闇/桂信子
鯊つりの見返る空や本願寺/荷風
見返れば白壁いやし夕がすみ/越人
見返るやいまは互に雪の人/炭太祇
突然の芒の風を見返りぬ/花村嘉水
見返るや我が足ふんでゆく蛙/信徳
春の野に女見返る女かな/正岡子規
足弱の母見返れば群蜻蛉/福田蓼汀
月山に佇ちて見返る花野かな/栗原満
逝く春や見返り峠低けれど/細川加賀
登りきし崖を見返り秋の蛇/木内彰志
見返るや門の樗の見えぬ迄/正岡子規
行列を見返りもせぬ畑打や/正岡子規
吉原の見返り柳痩せにけり/小島相河
稻刈の鎌持つて女見返しぬ/正岡子規
山を出て山を見返る霞かな/藤野古白
俳句例:21句目～
山越のそゞろ見返り春の海/島田青峰
薄幸の見返り美人一葉忌/磯崎ゆきこ
野に出でゝ見返る町の幟哉/正岡子規
風吹てうしろ見返る枯野哉/正岡子規
夏蝶と云ふ遥けさを見返らむ/寺田澄史
夕しくれ見返る山のもみち哉/正岡子規
御ン経や見返しの絵の鳥雲に/尾崎迷堂
昼花火見返りつつ人中を出づ/原田種茅
見返りて黄葉銀杏の高かりし/小西領南
蟷螂や見返り美人さながらに/藤脇美樹
見返り美人秋興の手を袖の中/小堀紀子
見返ればすこしよじれて秋の瀧/渋谷道
越路から不二を見返せ帰る雁/正岡子規
えらかりし夏と見返る痩せ肋/高澤良一
遣羽子や小尼見返る町はつれ/正岡子規
ぬす人の見返りもせぬ落穗哉/正岡子規
むしられて見返り柳夏痩せぬ/正岡子規
山一枚売つて見返る合歓の花/荒井利夫
風流山車見返し遠のく刈屋姫/高澤良一
又来んと見返る落葉靄かもす/栗生純夫
俳句例:41句目～
荒梅雨の墓をふたたび見返らず/中山純子
ねんねこの子ごと見返る雪の山/鈴木貞雄
見返れば山暮れてをり秋の声/八幡城太郎
しずしずと見返り天女遠退ける/高澤良一
睨む目を見返してゐる秋暑かな/仙田洋子
見返ればたんぽぽも又我を見る/村越化石
見返りの古塔淋しと猿子鳥鳴く/堀口星眠
見返りは求めぬ苗木植ゑにけり/小暮彦一
鳥総松をみな果して見返り合ふ/土屋杯南
われとわが綺羅冷かに見返りぬ/芥川龍之介
ダリヤ見し目の華やかに見返しぬ/稲畑汀子
赤とんぼ見返る肩の手はそのまま/野澤節子
秋の風われ見返ればみな見返る/中戸川朝人
見返りてかうべあげゐる捨蚕かな/田中茗児
落葉旺んに見返るべくもあらぬかな/中島月笠
枯芦のそよぎ静かなる夕ベを見返る/大橋裸木
ほととぎす笑める見返りの弥陀の像/長谷川かな女
藪過ぎてひかりのなかに見返ればもの言ふ唇のごとき椿よ/小野興二郎
