長靴に関連した俳句の例をまとめました。
長靴を含む俳句例
秋の暮皆長靴の出稼人/大野林火
長靴の長くなりゆく烏貝/緒方敬
長靴の先で栄螺の山崩す/行方克己
風船売大和の埴土を長靴に/飴山實
冬晴や長靴白き少女二人/小池文子
長靴は長靴に見え鳥威/佐々木六戈
長靴に畦踏み荒し蝮捕り/藤井松代
長靴を履いて入りぬ蕨山/今井誠人
父したふ長靴童子蝶生る/堀口星眠
山の子の大き長靴稲運ぶ/井上久枝
長靴の洞の音聴く秋の暮/岩城久治
街に出で長靴重し雛の市/山田芳子
長靴の林移動す赤むつへ/熊谷愛子
昼も夜も長靴穿けり蝮どき/光永峡関
長靴の一人に添へば暮早し/桂樟蹊子
借りて履く長靴大き田螺取/大上充子
長靴の氏子が集ふ池普請/藤田こうじ
初伊勢や泥長靴の遠国人/奥野曼荼羅
長靴の水を出水に還しおく/戸田露生
長靴の狭めし土間や牡丹鍋/大東晶子
俳句例:21句目~
掛乞に長靴の泥こそげつつ/安部元気
揃へ脱ぐ中に長靴糸瓜加持/高澤良一
長靴を逆さに干して鎌納め/清水蔦生
鰊汲む胴付長靴の胸濡らし/岩岡吐雲
黴くさき長靴よりも長き貌/赤尾兜子
河岸の子の赤き長靴三の酉/黒田杏子
田の人の長靴赤し花まつり/今野福子
逆さまに長靴干され豆の花/岡島昭二
冴え冴えとゴム長靴の川虫採/高澤良一
太宰忌の黒長靴の脱げば折れ/福永法弘
摘草の子が長靴を脱ぎにけり/綾部仁喜
桃の花土間に漁師のゴム長靴/川崎展宏
長靴のたけに余るや梅雨の泥/正岡子規
長靴につくづく倦みぬ雪間草/福永耕二
長靴にとび込んでゐる鬼の豆/升本行洋
長靴に囲まれ糶のずわい蟹/森田かずを
蝦夷見むと深雪に窪む長靴は/小林康治
流れ海苔掬ふ長靴胸まで履き/椎橋清翠
長靴はどこへもゆけて水温む/茨木和生
氷る渚に白鳥を追ふ長靴埋め/小林康治
俳句例:41句目~
長靴をはくほど春の雪降りし/細見綾子
長靴を倒してゆきし狸かな/大木あまり
長靴で来て囀りを聞き分くる/太田土男
長靴に腰埋め野分の老教師/能村登四郎
宙を飛ぶ長靴を買ふクリスマス/有馬朗人
初午や長靴のまま乗り込みて/小坂優美子
糶の蛸ゴム長靴にしがみつく/長谷川寿を
猪山に踏み入りたりし黒長靴/藤田あけ烏
雪を行く長靴たまごの色もゆく/和知喜八
長靴のさかさに干され梅雨晴間/今泉貞鳳
長靴のつつ立つ賀客日がなあり/赤松けい子
百足虫の子長靴の吾が踏まされる/飯沼衣代
雪に爪だちつつかけ長靴新市民/平井さち子
わかば憂しぼろんとゴム長靴脱いで/川口重美
梅雨の長靴置きけり死者の足もとに/細川加賀
雨の夜口あけてゐる長靴に足を入れる/大橋裸木
びしよ濡れネオン梅雨の長靴欲かくす/田川飛旅子
長靴に鯰を入れて子の帰る/永岡はな「未来図合同句集」