睨むに関連した俳句の例をまとめました。
睨むを含む俳句例
卒業式黒猫を睨み返す/香/季
蟷螂に睨まれてゐる立話/仲澤昭
將門の都睨みし山寒し/正岡子規
白桃を睨み幼子ひとり立つ/原田喬
金輪際鵙が睨んで阿弥陀仏/松本旭
八方を睨める軍鶏や芋畑/川端茅舎
誰人ぞ睨んで通る秋の暮/正岡子規
閻王の睨みの死角詰将棋/山本馬句
睨まれて閻魔の堂の蝉の殻/正岡子規
睨み返して金目鯛食べけり/水原春郎
山城に睨まれて居る寒さ哉/正岡子規
ほし禅のへたを嫂して睨落す/中勘助
短夜のうしろに睨む仁王哉/正岡子規
両方で睨みあひけり猫の恋/正岡子規
仲蔵の似顔睨めり桜餅/長谷川かな女
俎始鯛が睨を効かせけり/鈴木真砂女
兜煮の眼玉が睨む寒九かな/吉田トヨ
八方を睨みて炉辺の父怖し/橋本鶏二
振り向きて鼬の睨む獣道/市之瀬明童
日と月の睨みあひけり西東/正岡子規
俳句例:21句目~
睨め廻す「風流蛙合戦圖」/高澤良一
国ざかい睨みをきかす蝮草/中澤澄子
武者人形人居ぬ方を睨みゐる/除田兎城
金屏の虎が睨んでゐるところ/長谷川櫂
睨み合うて背縞動かさず恋蜥蜴/原月舟
よせ鍋の鯛の目玉に睨まれり/村上辰良
虫出しにはつと天井睨んだる/川崎展宏
朝から照りつける日を一睨み/高澤良一
窓あけし僧を睨めあげ猫の夫/河野静雲
竜睨む秋のゆふべの東福寺/阿波野青畝
夏痩せて浮世を白く睨まばや/会津八一
己が尾の先まで睨み鬼やんま/土生重次
毘沙門天蝦夷に睨み利かす寺/高澤良一
朝戸出や山を睨めば鴫が飛ぶ/会津八一
春の雲睨めつけて白衣短き兵/渡邊水巴
誰やらが睨んでござる秋の風/正岡子規
横綱牛藤七相手をじろと睨め/高澤良一
たかんなの八方睨み効かせをり/行方克己
八方睨みの亀鳴きつらむ耳の底/渡辺恭子
古家ややもり這ひ出でゝ蟇睨む/中川四明
俳句例:41句目~
塔の下蟇出でゝ九輪睨みけり/河東碧梧桐
洋凧に睨みきかせて武者絵凧/松倉ゆずる
海老蔵の睨むでみせる夏はじめ/田岡道子
睨まれて髭の折れたる飾り海老/安斉君子
藁しべの青きを噛みて睨み鯛/山崎冨美子
武者絵凧虚空を睨みつつ揚がる/榎本栄子
撫で牛にぎよろり睨まる花の冷/塩川雄三
迫り来る侫武多を睨み返しけり/鈴木鷹夫
睨む目を見返してゐる秋暑かな/仙田洋子
捨案山子空の青さを睨みをり/川島多美子
役者絵に睨まれてゐるおでんかな/吉岡翠生
花に句に睨めて狂うぞ鬼懸りなる/折笠美秋
短夜やはッたと睨らみうせにける/会津八一
かまきりの子にして睨み効かすなり/板津/堯
かの案山子もつとも睨みきかせをり/河野白村
今日も旱の大きな眼玉が睨めてゐるぞ/大橋裸木
睨めあげる童女の頭を撫で雛の日/赤城さかえ句集