裸婦に関連した俳句の例をまとめました。
裸婦を含む俳句例
枯園や汎神論の如き裸婦/対馬康子
雪月夜裸婦の屍伏し~て/渡邊水巴
彫刻の森林浴の聖者/裸婦/倉本岬
裸婦像の仰ぐ大樹に恋鴉/大島民郎
ゴヤの裸婦一枚残し暦果つ/井桁蒼水
中指の絵の裸婦はみな花疲れ/皆吉司
裸婦の画に油の匂ひ麦の秋/吉村しづ
みつめられ汚る裸婦像暖房に/酉東三鬼
裸婦像や青松虫の青に濡れ/阿部ひろし
病者等の焚火に裸婦の表紙燃え/長田等
神庫壁の裸婦画は月に虫名残/宮武寒々
初暦どきりと裸婦の現れし/後藤比奈夫
墓参惨裸婦の如きが思わるる/永田耕衣
抽象の目の爛々と二科の裸婦/大島寛治
百号の裸婦アトリエに蝉しぐれ/斉藤節
小鳥来る手足の長き裸婦の像/上山茅萱
裸婦像の吐息沈めて冴え返る/小川廣男
裸婦像の寒の戻りに身を捩り/調/一子
裸婦像の背にある翼冬ぬくし/山谷文子
裸婦像は暗し外套群がりて/加藤三七子
俳句例:21句目~
裸婦素描朝の木の芽が外に光る/瀧春一
はまなすや裸婦像永久に妊らず/桜庭梵子
ぼろ市の裸婦の絵の美しすぎる/後藤立夫
裸婦のごと輝かに炭は窯を出づ/岩崎すゞ
ダリの裸婦見て風死ぬる交差点/田口風子
トルソーの裸婦の量感夏来る/松本三千夫
ブロンズの裸婦佇てる森青嵐/梅田実三郎
蟷螂の如き裸婦見て二科を出づ/山口青邨
マチス裸婦親しみやすく明易し/下田明子
ルノアールの裸婦は虹色冬に入る/瀧春一
旱梅雨剥げし絵に生く裸婦の唇/雨宮抱星
裸婦像の倒れくるなり日の盛り/柿本多映
裸婦像の背のよごれや厄日過ぎ/高木杏子
裸婦独りゐて/ポンペイの花曇/松田正徳
雨に濡れ裸婦折れ曲がる暦売る/石河義介
勾配こそ裸婦の幻想風花して/河野多希女
裸婦像のゆるき曲線ゆりかもめ/藤原詠津子
裸婦像の見据ゑる先の冬木の芽/伊東よし子
ゴヤの裸婦ドガの踊り子水澄めり/青木重行
花時や裸婦臥しパステル折れ易し/榎本愛子
俳句例:41句目~
ポインセチア肉むら厚き裸婦の像/加古宗也
花の雨温泉に裸婦ひとり匂ひやか/渡邊水巴
裸婦ねむく薔薇一瓣を解きにけり/岸風三樓
アトリエに未完の裸婦や麦の秋/原田かほる
鷹飛翔やめず巌湯に裸婦ひとり/大橋桜坡子
ルノアールの裸婦と私とカンナ燃ゆ/村田規子
浴後裸婦らんまんとしてけむらへり/日野草城
檳榔樹と裸婦擦りかはる夏日かな/磯貝碧蹄館
ゆきずりの湯屋の秋裸婦の背筋見ゆ/下村槐太
木の葉散るとき裸婦像に触れたがる/園/眞智子
グラビア版カレンダーあり薔薇と裸婦/高澤良一
裸木になつてみなされみんな裸婦/小串かずいち
裸婦の図を見てをりいのちおとろへし/日野草城
深海のしずかさで/裸婦の肢體を見ている吉岡禅寺洞