踵/くびすに関連した俳句の例をまとめました。
踵/くびすを含む俳句例
石運ぶ踵の沈み落椿/中戸川朝人
枯原に赤き踵を見せらるる/斎藤玄
突出して見ゆ角叉の岩踵/萩原麦草
冬座敷紙の音する踵かな/白井万恵
青き踏むみ仏踵上げ給ひ/沢木欣一
軽石をあてゝ痛しや胼踵/粟津福子
雁のころ僧の踵の白きこと/角光雄
黄落や踵を浮かす乙女像/加賀荘介
鼠穴つぶす踵や春疾風/水野ゑい子
尼の身の草鞋の踵寒念仏/百合山羽公
蛍籠吊るす踵を見られけり/西村和子
春水や船べりあゆむ太踵/楠目橙黄子
節分の豆踏みあてし踵かな/行方克己
人老て炬燵にあれる踵かな/加舎白雄
甚平や雪駄の踵浮かせきし/脇坂啓子
花いかだ踵返して五十路越/木下愛華
吾子泳ぐ赤き踵をかいま見せ/嘴朋子
地虫出て靴の踵の急に減り/池田秀水
足跡の踵を深く牡丹の芽/蓬田紀枝子
磯遊び踵のあまる草履買ふ/遠藤芳郎
俳句例:21句目～
踵つぎ人来て去りぬいざ裸/石塚友二
駆け抜ける春時色の子の踵/成田千空
麦秋の岬より踵かへしけり/萩原麦草
千両や踵れまぶたなる六地蔵/高井北杜
子の踵ピンクに染めて初稽古/上窪則子
曲水の踵の真砂はらひけり/小林喜一郎
秋の星踵をかへすおもひにて/瀧澤和治
踵まで浴衣美人でありにけり/山田弘子
終ひ湯に踵をみがく一葉忌/佐藤喜代子
老農や昼寝さめたる固き踵/榎本冬一郎
芋銭河童に踵のありて彼岸西風/神蔵器
かはほりや踵廻らす我門の前/石塚友二
こほろぎや踵をくるむ男の死/古舘曹人
踵より風の生まるる苗田どき/宮田正和
踵磨く一個の柚に励まされ/殿村莵絲子
はり下駄の踵逃げすや蓼の花/石塚友二
パリ祭の踵を高く待ち合はす/槻木珠美
メーデー歌うたふ踵に力こめ/菖蒲あや
下駄に乗る踵小さし菊日和/鈴木真砂女
今年竹叩きて踵ひるがへす/橋本美智代
俳句例:41句目～
包丁の踵おお寒むの腑抜き/平井さち子
端午の湯踵きれいにあがりけり/高澤良一
銀座明るし針の踵で歩かねば/八木三日女
茶を喫むと高き踵の雪落せり/伊丹三樹彦
雪の踵走る燈あまたよるべなし/成田千空
案山子抜く土に踵をひっぱられ/河合凱夫
靴下より踵ざらりと出て三日/佐怒賀直美
踵かえして白木蓮の見ゆる場所/吉田トヨ
羽子つきの踵浮かせて蔵の町/大西八洲雄
水澄むとくびすを停む汀かな/阿波野青畝
祈るとき踵はガラスでできている/鎌倉佐弓
白萩や呼ばれて踵かへしたり/阿部みどり女
壺を一と生売あるき壺売の固き踵/細谷源二
金買はずくびす返して家に入る/波多野爽波
芝火消ゆしづかに踵かへすとき/阿部みどり女
日暮いずこも巣を作る蜘蛛踵返す/伊丹三樹彦
