トンネルに関連した俳句の例をまとめました。
トンネルを含む俳句例
トンネルを抜け十月の箒売/黒田杏子
山桜トンネル一つ横抱きに/長谷川秋子
葛の花トンネル口は風に満ち/鷹羽狩行
トンネルの奥が明るい耳咲く秋/穴井太
トンネルの工事現場の鯉幟/日比野和子
トンネルの真上の部落麦の秋/川村紫陽
トンネルの口ある山の夏蜜柑/和知喜八
豊年や明治トンネル口すすけ/平畑静塔
トンネル見え雪のみどりの濤頭/中拓夫
トンネルを抜けて即ち螢の夜/秋山万里
トンネルを出れば芒や秋の山/岡本綺堂
トンネルを抜けて終点紅葉駅/松村昌弘
おぼろ夜の汽笛トンネルが国境/野澤節子
トンネルをぬけて吹雪の闇に入る/林照江
干柿を噛みつつ長きトンネルよ/岸本尚毅
発酵のつづく根雪もトンネルも/櫂未知子
若萩トンネル快気先生通したり/石川桂郎
軟着感トンネルの中じゆう続く/金子兜太
トンネルを出れば今庄柿の秋/小松越幽子
三年間トンネルといふ答辞かな/辻田克巳
俳句例:21句目~
トンネルの両端の十三夜かな/正木ゆう子
下り簗つぎつぎ車窓又トンネル/高濱年尾
啓蟄やトンネルを出て海明るし/田畑牛歩
妻はばたく花のトンネル潜り来て/益田清
トンネルの車内家めく燈下涼し/香西照雄
嵐の日内側は耐へ桜トンネル/田川飛旅子
この下にトンネルのある野菊かな/池田澄子
もてなしにトンネル内の氷柱見す/右城暮石
わが立つ丘の下はトンネル万愚節/中村明子
トンネルがとても長くて蜜柑むく/千原草之
トンネルに入りて秋暑の肌冷やす/青木重行
トンネルに耳のつまりし帰省かな/森川光郎
トンネルの出口かつと日の照青芒/北原白秋
トンネルを出てしろがねの蝉時雨/五島高資
トンネルを出て信濃町梅雨霽るる/永井龍男
トンネルを出るたびに溪春浅し/八木林之助
梅見にゆく小トンネルの闇を抜け/津田清子
トンネルを抜けてトンネル冬の山/名島恵子
萩のトンネル月光の透く黒い籠/文挟夫佐恵
トンネルが奪う日本海上の星一粒/林田紀音夫
俳句例:41句目~
トンネルをいでゝ遽かに秋の暮/久保田万太郎
トンネルを出づればたちまち雪の国/田中冬二
吹雲立ちトンネル口の燈をうばふ/石橋辰之助
萩のトンネル白足袋の母に蹤きゆきぬ/杉本寛
息つめて萩のトンネルくぐりけり/戸田富美子
トンネルのブーゲンビレアや鉄の柵/石川真紀乃
トンネルの壁濡れていた/ひと言二言/沙羅冬笛
トンネルを出し汽車雉子を飛び立たす/右城暮石
吹雪く戸のくらくトンネル煌々たり/石橋辰之助
萩のトンネル誰かれの忌を思ひをり/鍵和田ゆう子
トンネル出たての道やはらかし霧甘し/平井さち子
薔薇のトンネルかく馨しき日のありし/鍵和田ゆう子