空白に関連した俳句の例をまとめました。
空白を含む俳句例
空白が最後の日記旱星/日原輝子
脱糞の猫空白の仕種せり/須藤徹
その日より日記空白熱帯/中村明子
年已に八声に白しちやぼの空/白慰
たのもしき空白の日々初暦/本井英
熱帯の空白跣の孔雀くる/伊丹公子
空白の日記に挟む勿忘草/澤田緑生
夾竹桃空白の檻水打てり/宮武寒々
初夢の唯空白を存したり/高浜虚子
空白の頁の記憶日記果つ/野崎静子
制札の裏の空白涼しさよ/香西照雄
宗教の欄空白のままに春/対馬康子
宿鳥起きて初空白し比叡の山/信徳
喪の旅の日記空白十二月/小林草吾
鵙鋭声身の空白を貫ける/大橋敦子
それぞれが暗い空白冬木立/対馬康子
時の日の時の空白梅太る/鷲谷七菜子
荒梅雨の後の空白火を作る/伊丹公子
野菊折り以後空白の哲学書/鳴戸奈菜
初社の掲示空白素志を持す/香西照雄
俳句例:21句目~
霧脱げど公示空白淫祠灯る/香西照雄
喪の家の空白を埋め花輪立つ/三谷昭
地獄絵に空白はなし安居寺/松田都青
鞦韆の宙の空白薄着して/殿村莵絲子
頬白や目つむりて空白となる/森澄雄
空白の一つの記録日記果つ/岡野隆女
奔放を拒ばむ空白内裏雛/河野多希女
空白のなかの一行古日記/永田耕一郎
心病む日々の空白日記果つ/土山紫牛
ダリアの紋章急行一過の空白に/三谷昭
冬虫夏草天寿というに空白し/和田悟朗
原爆忌有無を言はせず空白み/百瀬美津
夫恋の日より空白日記果つ/高見澤郁恵
椰子汁飲む空白貿易風のなか/伊丹公子
空白の記憶落花をもて埋めむ/柴田奈美
空白はさみしかりし日日記閉づ/岡本眸
筬ひけば寒の空白一目減る/殿村菟絲子
空白と同じ父の日雨つづき/日向野花郷
空白のありてすなはち連翹黄/後藤夜半
空白のノートの上の大暑かな/三橋邦子
俳句例:41句目~
正月は空白藪のみ騒ぎつづく/香西照雄
スワン引き潟に空白始まりし/辻口八重子
常ならぬ人に既望の空白し/長谷川かな女
獅子舞の去りし空白にごり酒/北見さとる
秋の空白雲しづかに合ひをはる/佐野良太
空白の幼時ありけり金草/秦夕美「夢騒」
涅槃図に声満ち裏側の空白よ/成瀬櫻桃子
煙突が塗りつぶす空白シャツ購う/穴井太
死蛾百万空白いつか埋めなんや/山口聖二
飯炊けし空白や雪昏れ兼ぬる/殿村莵絲子
秋雨に暮れ空白の一と日かな/波多野爽波
夕支度せぬ空白や梅雨めく旅/鍵和田ゆう子
浴槽から海へ流れて空白つづく/林田紀音夫
白さぎと白うさぎ書くわが空白帖/阿部完市
歯を抜いた日の空白に家事溜まる/松本森枝
夜どおしはだかの鏡が映していた空白/三好米子