鶏鳴に関連した俳句の例をまとめました。
鶏鳴を含む俳句例
鶏鳴のめぐる一木初明り/原裕
鶏鳴の大いなる円桜咲く/原田喬
鶏鳴に応ふ鶏鳴春の風/北詰雁人
六月の鶏鳴母に漂へり/磯貝碧蹄館
鶏鳴や寒の松葉の薄ほこり/中拓夫
鶏鳴の芯の紅らむ雪解空/飯田龍太
鶏鳴の沼に響きて暮の春/山田閏子
鶏鳴の卵産むこゑ春近し/幸まつ子
草萌ゆる峡の鶏鳴高く澄み/林尚子
薄氷を昼の鶏鳴渡りゆく/野沢節子
鶏鳴や旧中仙道リラ日和/三宅郷子
鶏鳴や山家育ちの太つらら/佐川広治
初茜鶏鳴松をのぼりけり/櫛原希伊子
遠き鶏鳴水無し部落露霜す/小林康治
妻身寄す霜夜鶏鳴遠し遠し/川口重美
探梅の鶏鳴不意に起りけり/池田秀水
鶏鳴は土よりのこゑ返り花/成田千空
燕去る鶏鳴もまた糸のごと/飯田龍太
鶏鳴の尾を長曳けり厩出し/太田土男
鶏鳴の多さよ夏の旅一歩/中村草田男
俳句例:21句目~
竹伐りにほどよき鶏鳴厠でて/中田剛
鶏鳴の一時に暗き寒露かな/岩淵寒山
霜旦の鶏鳴悲鳴にも似たり/宮津昭彦
谷風/銭苔鶏鳴石神水無限/高柳重信
鶏鳴や林檎万朶に花葉の芽/成田千空
蝉と機械と鶏鳴の後朝弾む/磯貝碧蹄館
雪原に太のどのびて鶏鳴す/北原志満子
鶏鳴に玉葱一本づつ抜かる/岸辺千鶴子
鶏鳴に起され四月はじまりぬ/菖蒲あや
鶏鳴に露のあつまる虚空かな/飯田龍太
鶏鳴のしはがれてゐる菊日和/山本洋子
鶏鳴のちりりと遠き大暑かな/飯田龍太
鶏鳴の刻ふさはしき飾り臼/中戸川朝人
鶏鳴の空豊年の息ととのへ/福田甲子雄
夏蚕村鶏鳴は竹割るごとし/神尾久美子
菜園をへだつ鶏鳴雑煮食ふ/塩崎晩紅里
足止めの雪降るに何んの鶏鳴ぞ/村越化石
葛湯のむひるの鶏鳴谷づたひ/宇佐美魚目
鶏鳴のすこし嗄れたる三日かな/水谷静眉
田あそびや鶏鳴のぼる笛の間/飯塚樹美子
俳句例:41句目~
鶏鳴のちりちり焦げる大暑かな/平井千詠
新酒酌むをちの鶏鳴ほろほろと/橋本榮治
武具飾り鶏鳴何とはるかなる/大峯あきら
互に鶏鳴春昼汝が文白くとゞく/川口重美
鶏鳴のまつしぐらなる土用かな/古舘曹人
鶏鳴や風まださむき辛夷の木/百合山羽公
鶏鳴のみじかし今日も暑からむ/片山由美子
花みかん鶏鳴土をつたひくる/ながさく清江
秋草に寝れば鶏鳴「タチテユケ」/西東三鬼
父もどく海彦や長鳴くは母の鶏鳴/高柳重信
鶏鳴のあと直ぐ今年ながれ出す/佐野まもる
鶏鳴や茹でて春菜のひとにぎり/藤井寿江子
玉菜の芯から微かな鶏鳴広漠たり/中村草田男
鶏鳴冴え追うてむなしき幸てふもの/川口重美
秋の夜ふかしおん扉をひらく鶏鳴なるぞ/荻原井泉水