人体に関連した俳句の例をまとめました。
人体を含む俳句例
人体に電流通う花の下/須藤徹
人体は湿地帯なり大地鴫/佃悦夫
人体に穴あり涙ありて春/益田清
人体に袋もろもろ桃の夜/芝崎梓
潮風に人体ひらひら夏館/安西篤
山桜人体も水ゆたかなる/久保純夫
鳥雲に直武描きし人體圖/高澤良一
いちまいの白い人体春の雷/島津亮
うそ寒や横むく貌の人体図/辻文治
人体に直線なけれ春の暮/小川軽舟
人体も半ばは涙/姫水木/折笠美秋
人体は哀しき器春の雷/鈴木けんじ
人体は朝日の独壇場と化す/佃悦夫
山櫻人体も水ゆたかなる/久保純夫
花明りして人体に穴無数/折笠美秋
健やかに微生物棲む人体よ/佐藤清美
人体の空洞いくつ梅雨なかば/石寒太
人体の自在に曲がる螢の夜/寺井谷子
人体に谷あり谷の冬ざくら/柿本多映
人体冷えて東北白い花盛り/金子兜太
俳句例:21句目~
人体のおぼろは絹糸で綴じよ/皆川燈
春雷や乳房などなき人体図/三浦弥生
次の世の人体白き縄飛びす/攝津幸彦
焼酎の中に真っ赤な人体図/井沢唯夫
神農祭薬舗に人体血脈図/大出蕭々子
人体は荷物のひとつ夏雲雀/高野ムツオ
人体は隙間ばかりや春の雨/恩田侑布子
夕茜溶ける人体溶けぬ石柱/八木三日女
人体や夢のほかには滝の壷/増田まさみ
人体を蟇とし剛しこそばゆし/永田耕衣
今朝秋の人体という可燃物/西園寺明治
亀鳴くや人体にある尾の名残/辻美奈子
人体に空地のありて雪の降る/鳴戸奈菜
人体に蝶のあつまる涅槃かな/柿本多映
人体に骨ゆきわたる冬銀河/鳥居真里子
灯の中へ消える人体青葉の夜/加川憲一
人体のどこかで冬の川に寄る/津根元潮
人体の此処彼処なる夏野かな/久富風子
秋霖や燈に冷めている人体図/河合凱夫
立春の火のつき易き人体図/岸本マチ子
俳句例:41句目~
人体の水からくりや花の冷え/福田葉子
人体にツボのどつさり花八つ手/内田美紗
青波脳波人体きざむ琉球弧/野ざらし延男
人体は不可解なもの午後の雷/鈴木けんじ
いなびかり人体密集地を照らす/仙田洋子
秋興の経穴の名くさぐさ人体図/高澤良一
人体ほどの蒸留水の向うにゐる/小川双々子
理科室に赤き人体とゐるゆふべ/小沢青柚子
春の宵やわびしきものに人体図/中塚一碧樓
真っ直ぐあるいて消える人体広い工場/島津亮
海鼠食い人体ストンと冷えており/呉屋ゆみ子
茅の輪くぐる人体すこしゆるめにし/岸本マチ子
蚊柱や人体に骨鳴りやまぬ/林唯夫「海程句集」
鉋屑ひようきんに炎えて人体表裏あり/橋本夢道
春の宵やわびしきものに人體圖/はかぐら/中塚一碧樓