家系に関連した俳句の例をまとめました。
家系を含む俳句例
屯田に興りし家系柏餅/依田秋葭
春雨にさして家系の傘重し/有働亨
家系みな女ばかりや星祭/橋詰一石
韓の血の絶えゆく家系雛飾る/姜東
笛方に徹する家系秋祭/内田二三子
柏餅家系賤しといふに非ず/高濱虚子
これといふ人なき家系蜆汁/岡本久一
家系図は男名ばかり檀の実/川崎慶子
家系図に加筆せし跡春の雷/岡野白穂
わが家系出家の多し空海忌/近藤一鴻
家系累々黴茫々と嫁迎ふ/八木三日女
家系樹の端の一枝に絞首刑/江里昭彦
雑炊を吹きつ家系を思ひけり/堤白雨
複雑な家系墓碑へと蟻の道/佐藤登季
罅にびくともせぬ鏡餅多子家系/狩行
医は我に始まる家系神農祭/豊田宗作
炉火のあり家系のすゑの影法師/昭彦
からうじて保つ家系や隼人瓜/川崎慶子
花八ツ手儒者の家系の子沢山/伊藤浩子
かろうじて保つ家系や隼人瓜/川崎慶子
俳句例:21句目~
その家系も首級片手の古写真/江里昭彦
家系亡びて三椏の花ざかり/鷲谷七菜子
裏白や長寿家系のひとりなる/作山和子
わが家系男の子をたたず柏餅/福田蓼汀
ジギタリス爪の形に家系あり/阿保恭子
家系卑しからず牡丹を愛しつゝ/橘華子
若死の家系墓銘に青すすき/八牧美喜子
家系殊に老嬢聖像のごと灯り/江里昭彦
楪落葉家系の女ら語られず/平井さち子
田作の尾が尾と絡み家系混む/國保継男
家系さながらけぶりゐる松の花/茨木和生
女家系したたかに継ぎ牡丹植う/檻谷雅道
柘榴仰ぐ家系は兄とわれのみに/宮津昭彦
火鉢ある奥の小部屋の家系かな/杉野一博
炉火とあり家系のすゑの影法師/宮津昭彦
夫の家系に教師の多し木の葉髪/伊藤京子
家系図に虚飾の匂ひちちろ虫/大野ひろ志
八重桜ずしりと家系うべなふ身/渡辺恭子
家系図の末なるわれか曼珠沙華/三森鉄治
一帰燕家系に詩人などなからむ/寺山修司
俳句例:41句目~
アメリカに家系はじまる魂祭/赤木タモツ
風呂吹に芥子こんじき癌家系/竹鼻瑠璃男
家系図のみんな呼びあふ初日の出/杉野一博
家系図のはじめに青きバクテリア/中田美子
二人静家系図はただ「女」にて/松田ひろむ
ふるさとに居つかぬ家系盆の月/竹中碧水史
家系図に案山子ばかりが元気なり/疋田芳一
まつすぐの家系みかんの皮を干す/瀬戸青天城
桃葉湯をんな長寿の家系なり/細谷喨々「桜桃」
デンドロビューム家系に甘く腰かけて/栗林千津
花かぼちや美女の家系に異変あり/関口ふさの「晩晴」
鰯雲北にかがやきこころいたし結核家系われにて終る/滝沢亘
からすうりの花ゆくゆくは家系絶ゆ/井上閑子「未来図合同句集」