土地/に関連した俳句の例をまとめました。
土地/を含む俳句例
土地人もまよふ袋路金木犀/今村青
土地人も迷ふ道あり花茨/稲畑汀子
土地変り入学の子に朝桜/宮津昭彦
機音に震ふ庭土地虫出づ/小島梅雨
物納の土地森閑と百日紅/大山草樹
雪虫を払う眼前父母の土地/村田治男
売った土地の杭打つひびき/佐久間義雄
土地人に教はり花菜の間の径/高澤良一
墓残し土地売り尽す四月馬鹿/大熊輝一
冷奴所詮この土地捨て切れず/影島智子
団栗と子がもたらせし土地言葉/金子潮
時雨来て駅にさざめく土地訛/大沼雅敬
杉の実や魔羅重さうに土地の馬/小澤實
物納の土地まだ売れず草の花/山縣輝夫
譲り受く友の土地なり雛の夜/芦沢一醒
遠まきに山が居並ぶ土地芝居/今瀬剛一
土地愛し子孫を愛し芋植うる/斎藤俳小星
始めての土地に夏足袋黒く来ぬ/山口誓子
十薬や何を植ゑても出来ぬ土地/正岡子規
土地売つて十夜の粥も廃れたり/宮田正和
俳句例:21句目~
冬暖を城にあそびてみな土地人/宮津昭彦
土地言葉やゝ耳馴れし年賀かな/矢津典子
土地の値や春星一つこぼれぬか/藤田湘子
土地の名に思ひ出しけり友の顔/正岡子規
土地の翳ふかき朝を空豆蒔く/一之瀬王路
土地慾を区切り一面の麦の遅速/藤後左右
温泉の多き土地なり夏芝居/中村吉右衛門
霰ふるこの土地人よ父よ祖父よ/京極杞陽
ゆきのした分布する土地の馬かな/阿部完市
此の土地の言葉にも馴れ柿うまし/椎橋清翠
コスモスを咲かせ他人に譲る土地/原田花穂
サングラス見知らぬ土地を大胆に/猪子青芽
土地つ子の犬にかまけて避暑家族/行方克己
秋うららガイドの私語の土地訛り/篠田悦子
秋っこと土地人の云ふそのみどり/高澤良一
蓮如輿いまどの土地をお渡りか/阿波野青畝
血と麦とわれに亡命する土地あれ/寺山修司
この土地が丸ごと好きで焼林檎/齊藤千恵子
づかづかと土地買の踏む曼珠沙華/佐野美智
枯れし土地にはじめて吾子を立たしぬ/篠原
俳句例:41句目~
露舐めて犬が犬捕り知らざる土地/右城暮石
何の花火か知らぬをんなの土地訛り/林原耒井
家が建つ土地秋茄子の畑へつゞく/文挟夫佐恵
見知らぬ土地低きところを寒の水/鈴木六林男
キャンプ張る土地者が来て何くれと/高濱年尾
すかんぽやふるさとといふ死後の土地/高橋悦男
春ショール頤でおさへて未知の土地/平井さち子
土地びとにはづかしきほど重ね着て/中戸川朝人
土地を売つたうつろのなかにとんでいる雀/吉岡禅寺洞
だだつぴろい芝生を、土地が泣くぞと云う母だ/橋本夢道