路傍に関連した俳句の例をまとめました。
路傍を含む俳句例
短日の眼置かるる路傍草/斎藤玄
路傍の石に夕日や枯すゝき/泉鏡花
蛇苺王者の墓と路傍の墓/有馬朗人
国境や寒天乾く路傍より/古舘曹人
路傍仏無一物雪遊ばせぬ/村越化石
路傍仏人も着膨れ来る日向/村越化石
お遍路に路傍の石も仏顔/山本くに子
春来れば路傍の石も光あり/高浜虚子
終戦日路傍に拾ふ一円貨/初川トミ子
歯科医院路傍に春の雪つもる/中拓夫
夏薊かつて路傍の草なりし/奥村光子
岩桔梗路傍供養の石積めり/篠田麦子
彼岸花路傍に一花灯しをり/村越喜子
雪間より雪間へ風を路傍仏/村越化石
跼まれば雪にほのぼの路傍仏/村越化石
甘草は海の路傍よ潮越え来て/古館曹人
一灯の照らす路傍が冬の視野/和田悟朗
井月は路傍に死せり青き踏む/西本一都
涼を売る路傍の金屋片腕なし/石原正男
墓穴暗む路傍枯葦ざんばらに/成田千空
俳句例:21句目~
水打つて黄蝶がとまる路傍かな/日原傳
夕日負ふ竹の子路傍菩薩とも/荒井正隆
天井に映り枯木の路傍仕事室/寺田京子
梨かじる風の筋なる路傍の石/細見綾子
月も路傍芋焼くための石を焼く/古館曹人
土ぼこり浴びて路傍の草暑し/佐久間法師
燐寸すれば路傍を照らす年の暮/萩原麦草
小正月路傍の石も祀らるる/鍵和田ゆう子
畢に路傍の人見やりつゝ双手汗/石塚友二
胃の腑とも見えて寒夜の路傍石/荒川楓谷
路傍の多助の墓に秋の逝く/長谷川かな女
さくらんぼ熟れて路傍に俄店/吉良比呂武
路傍月に照らしだされた花売る/大橋裸木
路傍のラジオ誰か濁流の闇にいる/徳弘純
逢ひて来し路傍はみ出で柿の色/小池文子
墓石まで路傍に売られ年つまる/高井北杜
駅名も城址路傍のアマリリス/下村ひろし
すぐ帰る夏蝶よ路傍のエンゼル像/伊丹公子
林檎磨き路傍かがやく文化の日/殿村菟絲子
えご咲くや神々路傍に抱き合ふ/水野真由美
俳句例:41句目~
売れぬ絵を路傍にひろげ啄木忌/木場田秀俊
生きる張り路傍の草も紅葉して/鈴木真砂女
地にうすきかすみ路傍のマリア椽/塚原麦生
追分の冬日溜めゐる路傍の石/長谷川かな女
たんねんに児が割ってゆく路傍の氷/穴井太
ふるさとのしよせんは路傍黒揚羽/古館曹人
風空や生き身に冷ゆる路傍の碑/柴田白葉女
港音や路傍の焚火誰がはじめし/榎本冬一郎
車中は路傍シヨールでかくす涙離々/中村草田男
かの日さながら路傍冬日の肥桶達/赤城さかえ句集
はるばるみちのく耕馬の眼には路傍のわれ/磯貝碧蹄館