読経に関連した俳句の例をまとめました。
読経を含む俳句例
岬寺大戸開きて初読経/三井盛夫
臘八の読経に遠い飛行音/田中信克
白き息邪魔とも思ひ読経す/藤丹青
風花や読経の響く手水鉢/中村照子
長梅雨や読経焼けせし大柱/山口清
海鳴のごと百僧の初読経/鹿島四潮
堂裏に読経のもるる藪椿/飯村周子
夏風忌の読経朗々寺小春/吉田鈴子
爽やかに僧衆読経の声起り/高浜虚子
読経きく両眦に汗ひかり/赤松けい子
山伏の読経白萩聞き澄ます/金沢房子
ひたすらに読経三昧雪安居/古川禎子
岡寺に読経つづけり雨蛙/松崎鉄之介
利休忌の読経椿の中よりす/奥山正子
棚経の僧にほめらる読経かな/辻青歩
僧読経東寺の紅葉散る下で/手島南天
譲られし父祖の肩衣初読経/斎木青紀
混沌の世を安らかに初読経/中山綾子
利休忌の読経しづかに朝の雪/及川貞
父の忌の読経に混じる祭笛/磯崎美枝
俳句例:21句目~
それぞれの声をそろへて初読経/森重昭
僧百人夏足袋しろき読経行/柴田白葉女
供養河豚跳ねて読経の席和む/山口富美
千灯会読経昂ぶり火の盛る/臼井千穂子
地鳴りめく読経や四万六千日/三谷敏子
百八灯祖父の読経の声太し/海野さき子
葱坊主地鎮の読経いつまでも/飯田龍太
流灯や舟につゝ立ち僧読経/佐藤みつる
読経聴き花見弁當ひらきけり/佐川広治
飛ばし~読経了りし夕立かな/高田蝶衣
なさけなや扇持ちつゝ読経とは/幸田露伴
人影の障子にのこる読経の昼/林田紀音夫
初読経かすみがかった階に住む/村上連用
滝音の唄とも聞こゆ読経とも/西山小鼓子
牡丹の芽にまつはれる読経かな/宮坂静生
母の忌や読経に和して法師蝉/菊地サトミ
翁忌の読経に和する過客かな/阿部風々子
読経あり別のこゑあり去年今年/福井啓子
読経しづむ杉千幹の雪の根に/鷲谷七菜子
読経洩る鞍馬のみ寺円座干す/村上みきお
俳句例:41句目~
浜施餓鬼読経にまじる波の音/尾崎亥之生
日盛りの読経すみし僧二人/阿部みどり女
雛会式尼僧の読経泣くごとし/町田しげき
彼岸会の読経のひびく千代尼塚/徳野正枝
高野聖読経のともしとりに来る/酒井湧甫
ありまきがききゐて読経はじまりぬ/加藤洋
初護摩のほむらに気合い読経僧/澁沢美代子
鶏音しばしば読経さそはる明易し/富田木歩
読経はじまりふときこゆ遠い山の風/栗林一石路
読経すませし真夜の年寄がぞくぞく寒がる/大橋裸木
死者不在昼ともる臘と緋の法衣しづかなる読経のこゑあがるとき/葛原妙子