表札に関連した俳句の例をまとめました。
表札を含む俳句例
柵に打つ牛の表札桑苺/鈴土郁子
秋風に表札二つ門一つ/山田弘子
肉親の表札古ぶ雪の門/飯田蛇笏
夏蓬久女の家の小表札/太平敏子
表札は未だ夫の名燕来る/東郷/操
表札は三橋敏雄留守の梅/三橋敏雄
表札の舞妓涼しき名を並べ/岬雪夫
鳥雲に転居表札なほ紙片/皆吉爽雨
表札の読める燕の通い道/内藤良影
消しかねる妣の表札釣忍/金子拓郎
近松といふ表札や近松忌/星野立子
表札は家元とあり鉄線花/角野桂治郎
表札は松永とあり秋の暮/鈴木しげを
表札を盗みゆきしは秋風か/山田弘子
亡き人の名が表札に柿若葉/岩田由美
霜の畑に表札が降る干鱈噛む/前田弘
恋猫や表札小さく荷風遺居/村上光子
表札も故人のままや露の家/中杉隆世
表札の一字のゆがみ松納/宇多喜代子
表札の町名古きまゝ梅雨へ/高澤良一
俳句例:21句目~
表札は在りし日のまゝ年迎ふ/星野椿
とりあへず書きし表札鳥雲に/西村和子
表札にアラビア文字蔦枯るる/西村和子
表札に子の名加はるかたつむり/林昌華
初日さすわが表札をひと読みゆく/楸邨
表札の歪み正して注連飾る/鈴木美佐子
表札の歪みを正して冬に入る/土谷和生
表札に夫の名遺し寒明ける/田中八代い
表札の「鷹夫」へ菊を焚く烟/鈴木鷹夫
表札をはづすに迷ふ朝の凍て/雨宮抱星
表札を洗ふみどりの戦火かな/攝津幸彦
表札に墨足して置く初つばめ/木下助治
外人の仮名表札やるかう咲く/松藤夏山
巣雀の糞表札のわが名汚す/榎本冬一郎
表札のなき戸をたゝく水鶏かな/森田峠
表札は在りし日のまま草雲雀/小林たまき
山茶花も散り表札もかへねばと/牧野松犀
あぢさゐに表札うづみ友の家/中戸川朝人
ローマ字の表札掲げ薔薇に住む/川口依子
別荘に表札打てばほとゝぎす/深見けん二
俳句例:41句目~
友もやゝ表札古りて秋に棲む/中村草田男
山茶花梅雨死後百日の表札に/平井さち子
柿の天表札いまも藩士めく/鍵和田ゆう子
棲みつきて表札古りて花八ッ手/吉屋信子
秋風やわが表札のをんな文字/鷲谷七菜子
表札にへくそかづらの来て咲ける/飴山實
松納表札古りてしまひけり/七田谷まりうす
表札のまだそのままに門火焚く/藤本スエ子
表札に加う吾子の名みどりの日/野村かおり
一戸構へし表札を打ち夏炉焚き/石井とし夫
初ひぐらし亡き師の表札訪ひて足る/平井さち子