自画像に関連した俳句の例をまとめました。
自画像を含む俳句例
自画像に一匹加う深海/加藤佳彦
風紋は砂の自画像鰯雲/大森井栖女
自画像が我を見てゐる春隣/堀政尋
追悼展冬帽のその自画像も/大橋敦子
自画像の子の首細し柿の花/橋本榮治
自画像は描かぬと決めて鰯雲/畠田天
鳳眼の子規が自画像獺祭忌/山口青邨
上を向く父の自画像紅葉冷え/皆吉司
描きかけの自画像と鶏頭/栗林一石路
春雷や自画像の父瞬きぬ/高村チカ子
自画像の前で笑へり九月尽/牧石剛明
芍薬や自画像の鼻特に良き/樋口鴨汀
いびつなる自画像残し卒業す/河合澄子
うそ寒や自画像ばかり売れ残る/仁平勝
ごつごつとゴツホ自画像羽抜鳥/中西瞭
自画像に月くもりなき窓の夏/飯田蛇笏
荒磯を来て自画像を塗りつぶす/橋間石
蛞蝓を我が自画像として眺む/竹本白飛
頬燃えて自画像出来ぬ卒業す/皆吉爽雨
自画像の背景どれも朧なる/小笠原照代
俳句例:21句目~
木下闇自画像ゴヤの瞬ける/文挟夫佐恵
渋面の自画像の奥/枯木騒ぐ/楠本憲吉
目円に自画像成りぬ秋晴れて/久米正雄
更衣イエローを自画像へ着せ/市川博久
自画像に笑窪を残し卒業す/多治見照子
自画像のその前にあり寒卵/加藤三七子
自画像の昏き時代の銀河かな/大石悦子
自画像の青きいびつの夜ぞ更けぬ/篠原
自画像を飛びし黒点夜の蠅/深見けん二
晩夏光自画像の目に射られけり/渡辺立男
自画像の皺ひとつ消し秋うらら/桑原白帆
自画像にぶつけてしまひ年の豆/星野高士
自画像の視線に射られ春の風邪/都筑智子
自画像のごとき羅漢や華鬘咲く/山口苔石
自画像をまじへて永き日の個展/鷹羽狩行
自画像の如き鰍を齧りけり/古幡かげふさ
灯蛾狂ひ自画像の眼へとびうつる/川口重美
自画像に入れてもらへる田螺鳴く/伊東達夫
柿照るや自画像すこし酔ふてをり/野田勇泉
自画像のしづかな狂気さくら満つ/水沼三郎
俳句例:41句目~
シュルル紀の死火山自画像新聞紙/渡辺誠一郎
ジェラシーめく自画像仰ぎ年あらた/上原勝子
自画像の問ひかけてくる夜長かな/藤井寿江子
自画像の息詰めてをりねじあやめ/田端千枝子
是か非かとまれ五月の壁の自画像は/親井牽牛花
レンブラント若き自画像青嵐/飯島晴子「平日」
泳ぐ寐ざまの自画像死また涼しきや/文挟夫佐恵
自画像に刹那刹那の死を封じ込めしメイプルソープトシーレ/江畑實