湯屋に関連した俳句の例をまとめました。
湯屋を含む俳句例
渓流や湯屋の庇に岩燕/西村和江
東大寺湯屋の空ゆく落花かな/目
町内に湯屋が健在冬の月/高澤良一
この足を湯屋までのさん月も雪/辰下
桜満開湯屋の鏡に骨透く胸/大井雅人
新涼や湯屋の天窓みな開く/杉林明子
夕月に湯屋開くなり近松忌/石田波郷
萩芒活けて湯屋の隠し部屋/吉岡鳴石
湯屋暮春眼玉を洗ふ盲かな/宮武寒々
麦稈帽湯屋まで遠き谷下る/清水基吉
煙太し冬も湯屋番若からむ/磯貝碧蹄館
石蕗卑し湯屋の煙の一すぢに/沢木欣一
青月夜むかし父との湯屋帰り/斎藤由美
底冷の浅間の裾の湯屋ひらく/矢島渚男
剽盗に逢ひて湯屋出づ秋の暮/石塚友二
亀戸の湯屋のけむりや初天神/加藤松薫
硫黄噴く湯屋へ飛び立つ岩燕/飯田久子
湯屋まではぬれて行きけり春の雪/来山
湯屋消えし松の湯通り春の月/佐藤允子
七五三の晴着の値段湯屋で聞く/館岡沙緻
俳句例:21句目~
元日の湯屋にあかるき首浮かぶ/高橋静葩
湯屋の前月濃くて冬去りにけり/大野林火
湯屋の燈の細りて狐啼く夜かな/田川江道
桃の日の藍に替りし湯屋のれん/加古宗也
湯屋出づるとき傘のみぞれかな/飯田蛇笏
帰る雁湯屋あくころの路地の空/矢島房利
孕鹿きてをる湯屋のほとりかな/岩崎照子
撥釣瓶修二会気負へる湯屋童子/桂樟蹊子
大釜を雪に舁ききぬ湯屋童子/有森/一雄
湯屋いづるとき傘のみぞれかな/飯田蛇笏
川霧わく湯屋そこばかり鴉立つ/赤尾兜子
薔薇並ぶうしろの湯屋の暖簾哉/増田龍雨
湯屋のある入江の町の残暑かな/高橋睦郎
湯屋暖簾分け出て真夜は雪女郎/倉田俊三
七夕や昼あをあをと湯屋の澄み/秋元不死男
修二月会生身の僧の湯屋にあり/諸角せつ子
冬の浪飛びつ湯屋まだ開かぬ正午/宮津昭彦
四ツ木立石葭切が鳴き湯屋があり/宮津昭彦
春場所の呼び出し聞こゆ湯屋を出る/緒方敬
鶏の寝際湯屋の煙より新月出づ/磯貝碧蹄館
俳句例:41句目~
ゆきずりの湯屋の秋裸婦の背筋見ゆ/下村槐太
三鬼忌の湯屋はいつより閉ざされし/伊丹裕子
下履きをバタンと冬至の湯屋を出づ/高澤良一
湯屋の湯にまだ一月とおもいけり/宇多喜代子
羽抜鳥逐ふとなく湯屋へ行きにけり/中島月笠
夜間飛行機子と七月の湯屋を出て/磯貝碧蹄館
別霜湯屋のこぼれ灯坂下に/『定本石橋秀野句文集』