新走に関連した俳句の例をまとめました。
新走を含む俳句例
迸る音の確や新走/富田のぼる
還暦の祝や新走二本/根津芙紗
新走その一掬の一引を/稲畑汀子
新走長広舌を揮ひけり/仲岡楽南
新走り越後に命養へと/長谷川櫂
美しき猿臂のばせり新走り/的野雄
笑ひ皺ふかめし翁新走/長谷川和子
新走り身の影をおく畳かな/桂信子
兜焼の大皿でんと新走り/中村礼子
決断は二つに一つ新走り/水原春郎
禿木ここに供わる新走り/窪川寿子
四十五年我に妻無し新走/岡本圭岳
大厄を残して夫の新走/中村真由美
遠山は雨か飲み干す新走/服部一彦
熊皮を敷き延ぶ炉辺や新走/黒崎歩
晩年の序の口にして新走り/高澤良一
女人とも淡くなりけり新走/藤田湘子
山の声火の声出雲の新走/伊達みえ子
忽然と山河ありけり新走り/永末恵子
拭きこみし酒蔵の階新走/深見けん二
俳句例:21句目~
新走りほてりし顔のひとりなる/原裕
新走り供へてありぬ一草庵/高木幸子
新走り小暗き棚に納めけり/古谷青衣
新走り赤子は二日泊りにて/中村祐子
病床に届けてくれし新走/田畑美穂女
新走樽絵師も来て機嫌かな/中川四明
新走舐めて西鶴忌なりけり/柴田孤岩
杉葉添へ奈良より届く新走り/岡潔志
槽上げの玉ほとばしる新走/慶徳健吾
百姓の顔してつぶれ新走り/河野南畦
ひんがしに校舎二つの新走/平橋昌子
男あり枡で一息新ばしり/大出蕭々子
次の間に玉兎はこびぬ新走り/水内慶太
新走きまつて憶ふ父のこと/岡田すず子
家に蔵すひとますかめや新走/中川四明
旅憂しと歯にしみにけり新走/宇田零雨
口福といふ字ありせば新走り/大野崇文
南国の猪口はおほぶり新走/高橋ツトミ
飲めといふあと無口なる新走/辻美奈子
大楠に天狗憩ふと新ばしり/中山多美枝
俳句例:41句目~
後ろより川風とほる新ばしり/結城静子
新走り出雲の闇を密にして/加藤三七子
根の国の紅ほのかなる新走り/永井由紀子
新走りなりし名付けて山頭火/前田千代子
とく~とつがれてこれの新走り/清崎敏郎
ぐいのみといふ言葉好き新走り/中田品女
新走りふふみ日向に出づおもひ/高澤良一
かたまつて鬼も暖とる新ばしり/中原道夫
奥志賀やまたたびで酌む新走り/宮川杵名男
なみなみとともしび揺れて新走/藤原たかを