昆虫に関連した俳句の例をまとめました。
昆虫を含む俳句例
立秋の寺昆虫の眼満つ/原田喬
枯草にゐて蠅も昆虫なり/瀧春一
娘三人昆蟲館の五月闇/田中裕明
昆虫の死臭はげしや誘蛾燈/瀧春一
昆虫の螢光すでに滝の道/後藤夜半
夕蝉や昆虫館に灯りし火/後藤夜半
翅あをき昆虫を夜の枕上/石塚友二
昆虫と夏菊を手に子と歩む/三谷昭
秋づくと昆虫の翅想はるる/石田波郷
昆虫の摺る翅の音も迢空忌/藤田湘子
キス初めて昆虫館の潜む森/坪内稔典
昆虫の終り見届け子と眠る/対馬康子
昆虫の虫ピン光る青そこひ/鈴木慶子
青森暑し昆虫展のお嬢さん/佐藤鬼房
父と子のかげる真冬の昆虫館/長谷川双
緑陰や昆虫とりの葉巻のむ/吉岡禅寺洞
青葉冷え死を蒐集の昆虫館/竹中碧水史
わが胸の昆虫醒ます砂糖水/磯貝碧蹄館
二百二十日金属音の昆虫いて/前川弘明
薔薇蕾み昆虫界に移りたり/秋元不死男
俳句例:21句目~
藤の下昆虫と世をよそにせる/佐野良太
透明の昆虫箱なり冬夜汽車/高野ムツオ
昆虫のごとく人追う影のあり/対馬康子
昆虫はやさしくなりぬ女郎花/星野紗一
昆虫館音なく冬に入らんとす/橋本鶏二
昆蟲の暗さにて立つ古甲冑/田川飛旅子
春疾風万の昆虫のかがやく針/赤尾兜子
炎天や昆虫としてただあゆむ/木下夕爾
にほやかに昆虫とびゐ夏惜む/吉岡禅寺洞
地へ深くみどりの昆虫おりてゆく/穴井太
昆虫を辞めて吹かるる秋の蝶/春日愚良子
昆虫の冬さまざまに死にゆける/松村蒼石
未完のビル昆虫に似て夜の枯木/大井雅人
杜鵑花折る昆虫とりの一学徒/吉岡禅寺洞
昆虫の頭蓋ころがるガラスの城/加藤青女
耳飾りゆるめ夏日の昆虫館/長谷川久々子
きさらぎのみどりあはあは昆虫館/長谷川双
冬あかき岩を昆虫のごと摯づよ/石橋辰之助
昆虫を身にすまはせてアネモネヘ/熊谷愛子
昆虫のねむり死顔はかくありたし/加藤楸邨
俳句例:41句目~
打音のビル耳にみどりの昆虫いて/金子兜太
晩夏の踏切一人で抜けて昆虫的/高野ムツオ
藺の畦を昆虫とりのかへし来る/吉岡禅寺洞
南風のみち昆虫とりもしらぬとて/吉岡禅寺洞
昆虫展のピンでとめられているのは俺/穴井太
手足とはこんなにさびしい昆虫図鑑/佐孝石画
おしめがひるがえつても昆虫にうたのない日/吉岡禅寺洞