鉄瓶に関連した俳句の例をまとめました。
鉄瓶を含む俳句例
鉄瓶の錆落しをり居待月/石川桂郎
秋深し鉄瓶に足す山の水/桑原立生
鉄瓶に骨正月の煤たまる/三田巳乗
鉄瓶も風も笛吹き寒四郎/藤田湘子
鉄瓶の白湯の甘さよ花疲れ/杉良介
鉄瓶の口若水をあふれさす/桃里裕子
鉄瓶の坐りし屏風祭かな/明円のぼる
鉄瓶の座りただすや寒の入/青木道子
鉄瓶の湯気ゆらぐ影初刷に/永井龍男
大鉄瓶滾ちて更けぬ三の酉/橋本榮治
鉄瓶の白湯の甘しよ芽白樺/伊藤敬子
木枯や南部鉄瓶売りにゆく/佐川広治
柳ちるや鉄瓶たきる渡舟小屋/原月舟
鉄瓶の磨き込まれて寒に入る/堀野省
水差して鉄瓶懈き冬至かな/藤田湘子
鉄瓶の蓋の笑いや夜の長し/阿部信一
鉄瓶の鳴る夜繭玉ゆれてをり/原俊子
磨き盆銅壷鉄瓶火箸をも/相模ひろし
鉄瓶をたぎらす快楽寒土用/加藤征子
鉄瓶が湧く音だけの寝正月/蕨野参呂
俳句例:21句目~
鉄瓶のすき腹なづる寒サ哉/幸田露伴
雪女鉄瓶の湯の練れてきし/小川軽舟
鉄瓶のしたたかたぎる寒雀/石澤達郎
鉄瓶の枯山に鳴る身内の喪/宮坂静生
ストーブに滾る鉄瓶信濃なり/横山房子
五月雨鉄瓶さめし夜風かな/大谷碧雲居
冬椿鉄瓶の湯のやはらかし/長谷川秋子
春寒き燈に鉄瓶の湯気とどく/内藤吐天
榾燃えて又鉄瓶の湯のたぎる/星野立子
蟇の夜や父の鉄瓶胡粉吹く/吉本伊智朗
鉄瓶の滾りてさめし白露かな/長谷川櫂
鉄瓶に湯玉のはしる恋の猫/鳥居真里子
鉄瓶のだんだん重き夜長かな/藤田湘子
鉄瓶と火力たたかふ喜雨の中/藤田湘子
鉄瓶の湯さめぬ程に夏炉に火/大森積翠
滝見茶屋大鉄瓶のたぎりをり/星野立子
鉄瓶の黙せばつぐ火春を待つ/亀井糸游
鉄瓶に吾が足生へよ冬こもり/会津八一
鉄瓶の湯気の生真面目翁の忌/鈴木鷹夫
鉄瓶の蓋切りて年惜みけり/久保田万太郎
俳句例:41句目~
日盛りの鉄瓶鳴つて菓子づくり/佐川広治
火事跡の鉄瓶に蓋ありにけり/五十嵐研三
鉄瓶の蓋きりて年惜みけり/久保田万太郎
鉄瓶の尻がつかえる炭団かな/小田切獅子
鉄瓶に傾ぐくせあり冬ごもり/久保田万太郎
鉄瓶の蓋切りて年惜しみけり/久保田万太郎
鉄瓶の湯気しなやかに余花の雨/藤井寿江子
鉄瓶鳴りひとつ秋灯に夫婦読む/柴田白葉女