読書に関連した俳句の例をまとめました。
読書を含む俳句例
一日の春の嵐の読書かな/上野泰
初冬の海を鏡に子の読書/原和子
緑蔭の読書深まり人嫌ふ/山本一糸
木蓮や読書の窓の外側に/正岡子規
夕霙読書の脚を踏み温め/川口重美
蚤のくふ足もじもじと読書哉/鳴子
虫の夜や父母早寝吾読書/成瀬正とし
鳥雲に身は老眼の読書生/松本たかし
冬夜読書何か物鳴る腹の底/高浜虚子
読書癖ある妻ながら冬支度/高浜虚子
一旬の梅に馴れたる読書かな/永井龍男
読書子の心を向くる一葉かな/尾崎迷堂
凧のかげ夕方かけて読書かな/室生犀星
どの木にも雪積りをる読書かな/辻允子
籠に犬入れて樹蔭に読書せる/関森勝夫
種は井に浸し来て灯し読書かな/原月舟
色鳥や読書も縫ふも縁先に/福永みち子
読書会済んで雛菓子配らるる/山田弘子
読書先生朝々定斎飲みにけり/小澤碧童
サフランや読書少女の行追ふ目/石田波郷
俳句例:21句目~
下萌の明るき窓に読書かな/長谷川零餘子
紫陽花の雨のやはらぐ読書かな/橋本對楠
滝を落としている静かなる読書/永末恵子
拾ひたる椎の実のある読書かな/千葉皓史
読書するまに少年老いて草雲雀/寺山修司
古語に舌まろめて読書文化の日/井沢正江
読書子に真菰は風を送りけり/島田刀根夫
母の日や読書の母をさまたげじ/岩崎照子
読書の灯残して妻子寐たるかな/増田龍雨
雁鳴くや秋ただなかの読書の灯/飯田蛇笏
今一夜名残の蚊帳に読書かな/筏井竹の門
鵺鳴くや読書に暗きロッジの灯/北村祐子
かや吊りし今宵読書に更かさばや/富田木歩
ひらすらに読書の女になる一葉忌/伊佐知子
稗蒔に目をなぐさむる読書かな/高橋淡路女
湯婆煖炉臥床あたゝかに読書かな/子規句集
農婦読書野あやめの濃き昼休み/加藤知世子
おとろひや読書の秋の字がふたへ/鈴木しげを
がゝんぼや病みて読書をいのちとす/飛弾道弘
ほうほけきよ放てばかすむ読書の眼/林原耒井
俳句例:41句目~
ひえ蒔に眼をなぐさむる読書かな/高橋淡路女
日曜は読書に当ててちやんちやんこ/高澤良一
日の出より蝉鳴くまでの読書かな/広瀬美津穂
読書百遍にしておのずから晩夏の山/橋石和栲
ガスのこめた夜更本屋は読書の虫で一杯/吉岡禅寺洞