四十路に関連した俳句の例をまとめました。
四十路を含む俳句例
秋燕や四十路の心翳を負ふ/有働亨
末枯や四十路に急ぐわが月日/林翔
わが知らぬ四十路来向ふ冬の靄/林翔
眉引も四十路となりし初鏡/杉田久女
捩花の一筋の紅四十路果つ/石田榮子
太刀を崇め祀らず四十路果つ/攝津幸彦
一片の落花四十路の髪につく/菖蒲あや
人生の四十路俄かに露けしや/深町丘蜂
熱燗や四十路祝はず祝はれず/根岸善雄
四十路なり泳ぎて重し黒髪も/吉野義子
子育ての四十路駆け足鶉鳴く/白井爽風
蛇の衣泳がす風を聴く四十路/伊藤敬子
四十路も寒し事の序に生れ来て/北野民夫
乙字忌や凡の四十路も半ば過ぐ/橋本義憲
却つて稚拙四十路の恋の雪模様/石川桂郎
香水の瓶のなで肩四十路来る/鳥居美智子
東京にあかき落葉とわが四十路/宮津昭彦
時の日の四十路半ばの子の電話/石田小坡
四十路にて稍世馴れたり蛞蝓/宍戸富美子
後より人くる夜寒四十路終る/加藤知世子
俳句例:21句目～
膝ふくるゝ腿引四十路終りなり/溝口青男
青葉散る四十路の男女偕にゐて/下村槐太
あたたかや四十路も果の影法師/野見山朱鳥
たたずむこと多き四十路の片陰や/村越化石
蜘蛛の子を散らして四十路茫然と/下村槐太
荒地に根四十路一歩の雄ひまわり/古沢太穂
四十路いま駆くるごとしや野火走る/影島智子
四十路いま叱る父母なく筒鳥聴けり/村越化石
問ふことをやめれば四十路桐の花/岩淵喜代子
夜長し四十路かすかなすわりだこ/中村草田男
四十路の帰省疣太りしと言はれしよ/香西照雄
四十路も佳し白靴しろく夜を帰る/赤城さかえ
手のとどく四十路怖れじ胡瓜もみ/赤松けい子
氷柱折って四十路の行途なきごとし/小林康治
夜食食むことなくなりて四十路かな/稲畑廣太郎
四十路さながら雲多き午後曼珠沙華/中村草田男
枇杷の花四十路の坂が迫り来ぬ/五十崎古郷句集
冬の泉に立ちて四十路のみづみづし/加藤知世子
四十路はやぢり貧のおもひ松すぎぬ/平井さち子
四十路なる火は地より湧く曼珠沙華/鍵和田ゆう子
俳句例:41句目～
梅雨を四十路のブギウギ低く口ずさみ/赤城さかえ
はまなすや手のひら紅さし四十路来る/平井さち子
逃げもかくれもしません四十路の貌北風に/平井さち子
