心中に関連した俳句の例をまとめました。
心中を含む俳句例
蔓きりて心中に置く烏瓜/中田剛
浮草の心中話やつゞき物/正岡子規
心中の屍つゝむや土用浪/高浜虚子
妻と子と心中物の初芝居/細谷喨々
くさぐさの末心中や走馬灯/野村喜舟
けふも亦心中ありて近松忌/高浜虚子
蛍追ふ心中に火を育てつつ/橋本榮治
心中にひらく雪景また鬼景/赤尾兜子
其はてが萩と薄の心中かな/正岡子規
心中に伽藍の炎ゆる桜の夜/柿本多映
心中に応答激しレース編む/津田清子
心中に火の玉を抱き悴めり/三橋鷹女
心中の昏さに気づく雛かな/寺澤慶信
心中の沙汰は誠か芥子の花/正岡子規
心中の花道くらし近松忌/水原秋桜子
心中の骸浮きけり秋の湖/松根東洋城
心中を見にゆく髪に椿挿し/寺山修司
闇深く夜風と心中牡丹かな/高澤良一
ことによると心中たのし春の山/清水浩
一歩きしてわが心中の桜の木/桑原三郎
俳句例:21句目～
二の替世は心中のはやりかな/野村喜舟
名月の心中と世にうたはれん/正岡子規
心中す黄色のジウス飲み余し/右城暮石
心中にいくつも狭間曼珠沙華/玉城一香
心中もせで起きいでぬ露の宿/飯田蛇笏
心中も情死も野分あとのこと/保坂敏子
心中に一基の墓の灼くるかな/赤尾恵以
柊咲く心中の鬼飼い馴らし/相川玖美子
白息吐く心中火玉燃えてをり/松村多美
神楽の夜湖心にありし心中かな/原月舟
罌粟咲くや一途に染まる旅心/中村高士
虚子も書きし心中物や近松忌/星野高士
はすかいに蓮みて心中の刃こぼれ/仁平勝
すでに心中深し冬濤見てをれば/玉城一香
心中しそこねたはなし炉ばなし/大橋裸木
心中にひそめる鬼はいかに追ふ/富安風生
心中に雁舞うてゐる雨月かな/徳永山冬子
心中に鳴らす金鈴凍てずあれ/岡本差知子
心中に焚く詩ありけりけさの秋/小杉余子
花に倚るおそろしきこと心中に/篠崎圭介
俳句例:41句目～
心中に垂らす藤房ひとりの午後/蛭田親司
ななかまどぶなダケカンバ霧心中/攝津幸彦
心中に師なく弟子なくかすみけり/下村槐太
心中に補陀落のあり沙羅ひらく/高橋ちちり
さくら心中絞められてゐてうつとりす/筑紫磐井
心中物を聴く夜衣紋竹一つのこし/長谷川かな女
