雪野に関連した俳句の例をまとめました。
雪野を含む俳句例
夕空や雪野に黒き楊柳/永井龍男
清算のごとく雪野の石の家/三谷昭
玉川の一筋光る雪野かな/内藤鳴雪
騎初や鞭加へ越す雪野原/広江八重桜
略奪の速さに過ぎて雪野汽車/岡本眸
後続を待てり雪野の平にて/津田清子
一片の雪だにつけず雪野の木/小澤實
風紋のしるき雪野を踏み戻る/辻桃子
雪野行き吾には吾の放浪記/大橋敦子
雪野鴉雨誘ふ声しぼるなり/金尾梅の門
林檎置く車窓雪野は果もなく/永井龍男
斑雪野へ父の柩を焼きにやる/小林康治
薺打つ音澄むくりや雪降れり/足羽雪野
雪野へと続く個室に父は臥す/櫂未知子
分水嶺汽車を雪野へ放ちけり/羽部洞然
雪野一個所肥壷にふくらめる/栗生純夫
子が知れる雪野の果の屠殺場/澤木欣一
雪野来て雪野の果に灯をともす/三谷昭
雪野照り莎の金ンの紛れたる/成田千空
帰農記に雪野の果の木は入れず/細谷源二
俳句例:21句目～
手の平を落とし雪野に転びたる/大石雄鬼
柏の葉生きて雪野を駈けつづく/堀口星眠
行人に雪野の起伏晴れにけり/金尾梅の門
斑雪野や産着干さるる牧夫寮/丸山美奈子
雪野原涯に昼餉のうすみどり/平井久美子
斑雪野に月あり青き魔がひそみ/堀口星眠
禽のみに目聡く斑雪野に住めり/堀口星眠
斑雪野に古傷かばふ身を斜め/稲垣きくの
はてしなき雪野に鶴は朱を点ず/木下ふみ子
二タ杉より離々の人家の雪野かな/野村喜舟
啼かず飛ばず雪野鴉の二羽三羽/鈴木真砂女
屋根に雪野武士のごとき貨車一輛/椎橋清翠
花嫁が雪野まぶしき駅に下車/阿部みどり女
踏みわたる雪野日たけつ鶏遠き/金尾梅の門
画竜点晴どころではなく雪野かな/櫂未知子
斑雪野やいきなり尽きて陸奥の海/中川禮子
雪野ゆく誰もひとりの手を垂れて/阿部誠文
白馬ばかり朝焼けゐるよ雪野果て/角川源義
雪野遠し墓に遇ふさへ親しくて/成瀬桜桃子
お日照るや雪野のくまの鵯のこゑ/金尾梅の門
俳句例:41句目～
みかへれば雪野のひかり榛にそふ/川島彷徨子
眼とひたいで出逢う雪野に光り合い/岩間愛子
雪野ゆくもろ手隠して背を曲げて/鈴木真砂女
きんいろのきつねの駆けた足跡か雪野に滲むちいさな闇は/加藤治郎
