鴟尾に関連した俳句の例をまとめました。
鴟尾を含む俳句例
鴟尾はねて支ふる如し秋の天/年尾
寒月や光返して寺の鴟尾/赤柴公子
雨注ぐ鴟尾よ九輪よ時鳥/会津八一
老杉の鴟尾より高き夕霞/舘岡沙緻
鴟尾双つ太陽ふたつ法然忌/田中水桜
鴟尾凛と唐招提寺年を守る/渡辺恭子
鴟尾光る大阪城や初つばめ/伊川玉子
鳳凰の鴟尾に睡蓮昏睡時/赤松ケイ子
鴟尾光るうちは山焼始らず/吉村宵雨
鴟尾はねて松籟高し鑑真忌/西岡三城
冬星のひとつ燦く鴟尾の上/狹川青史
初雀鴟尾澄む簷に弾みをり/石野冬青
鴟尾の雨東へ霽るる仏生会/羽田岳水
鴟尾すべり落つ天平の恋雀/田中水桜
大仏殿鴟尾の上なる秋の雲/秋山花笠
天に鴟尾桜は白くはしるかな/澤野弘
奈良坂に夕刊遅し月の鴟尾/桂樟蹊子
玲瓏と池にも天の鴟尾凍る/狹川青史
大仏を蔵する鴟尾の二日かな/角川春樹
斑鳩の鴟尾に小さな冬日落つ/角川春樹
俳句例:21句目～
日支変記念日の鴟尾鳩を上ぐ/宮武寒々
燕子花鴟尾の金色射すところ/下村槐太
しぐれたる鴟尾一対を仰ぐのみ/中田剛
良弁忌淵のごとくに鴟尾の空/藤田三郎
落月に鴟尾すさまじや山の寺/西山泊雲
晩年や鴟尾のしぐるる夕明り/倉橋弘躬
鴟尾はるかなり早春の畷みち/立半青紹
梅雨満月大寺の鴟尾立ちあがる/小林泰子
鴟尾あげて枯野の人ら炊ぐなり/和田悟朗
堂隅に鴟尾ねむらせて寺薄暑/山本つぼみ
鴟尾仄か夜鹿の声のわたりけり/鈴木豊子
鴟尾今宵月にしたがふ仏たち/つじ加代子
どこからも見ゆる大鴟尾風光る/中條弘子
さくらちる鴟尾金色に光るとき/岸風三楼
鴟尾凜と二月の空を押し上ぐる/釘宮のぶ
あきらめし月いま鴟尾に讃仏会/三嶋隆英
鴟尾灼けて顔も尻尾も向ひ合ふ/北野民夫
月幾世照らせし鴟尾に今日の月/水原秋櫻子
鴟尾に日の燻ずるに雁すすむなり/桂樟蹊子
鴟尾天に来世がありて畦を焼く/町田しげき
俳句例:41句目～
はつなつの大和くにはら鴟尾ひかる/横田昌子
梅雨明くる旅の奈良なる鴟尾のもと/皆吉爽雨
鴟尾跳ねてそこより吉備の鰯雲/鍵和田ゆう子
あしび咲く辺をすぎゆけば金の鴟尾/阿波野青畝
鴟尾躍るしばし大和の菜殻火に/阿波野青畝「紅葉の賀」
