氷屋に関連した俳句の例をまとめました。
氷屋を含む俳句例
馬追に夜の神棚氷店/高橋馬相
村までの道一筋の氷店/桂信子
氷店の鏡に午後の波頭/桂信子
禅寺の前に一軒氷店/高濱虚子
朝寒や看板残る氷店/正岡子規
橋詰や此頃出来し氷店/正岡子規
氷店爺と婆ゐて婆出て来/小澤實
氷店一卓のみな喪服なる/岡本眸
一軒の庭墟の街の氷店/福田蓼汀
犬吠の濤に真向きの氷店/森田峠
昔より橋の袂の氷店/後藤比奈夫
墓原の鴉きこゆや氷店/渡辺水巴
水捨てる音の夜深し氷店/増田龍雨
炎帝のむかし氷屋鋸を引き/仁平勝
氷屋に白きが中の小堤灯/正岡子規
氷屋の燈籠揺れて客少な/松藤夏山
氷店より見てゐたる人通り/上野泰
氷屋の猫いなくなる大嘗祭/須藤徹
氷屋の軒並べたる納涼哉/正岡子規
をみなごの躾おこたる氷店/筑紫磐井
俳句例:21句目~
幔幕が背を押しくるよ氷店/香西照雄
暗き町やたまたま床屋氷店/正岡子規
氷店がひよいと出来て白波/尾崎放哉
氷屋の洗ひ晒しの旗を垂れ/西村和子
氷屋の旗に来れば店くらし/原田種茅
渓遊の草履も売りて氷店/佐藤星雲子
氷屋に葦簾隔てて舊派もゐ/筑紫磐井
遠クカラ見エシ此松氷茶屋/正岡子規
雨のふる町見て旅の氷店/高田風人子
氷屋に水より外の資本なし/筑紫磐井
高浪ののれんさわぐや氷店/木津柳芽
いまもってご贔屓があり氷店/高澤良一
とある隅によき人居たり氷店/巌谷小波
刷りもののをんなは軽し氷店/筑紫磐井
氷屋あかき夕陽に旅人がゐる/大橋裸木
氷屋の銭きらきらと掌に渡る/塩谷小鵜
氷屋へ入るにも連れの後ろより/原月舟
氷屋やひねもす路地の空車/島村元句集
氷屋ノ夜店出シタル始メカナ/正岡子規
氷店ひとりふたりは月にかな/太田鴻村
俳句例:41句目~
氷屋の氷にしぐれゐたりけり/田中裕明
氷屋ののこぎりの音先斗町/灰原美奈子
誰もゐぬ氷屋揚羽抜けゆけり/大橋敦子
富士まともなる氷店よくはやり/勝俣鈴子
氷屋の鏡中かがやく馬行けり/中村草田男
氷店出て来るところ見られけり/下村梅子
氷屋のびいどろが鳴り灯りけり/岸風三楼
氷屋の簀戸に落ちたるはな火かな/会津八一